今年最後にご紹介するのは、マンハッタンのミッドタウンで良い利回りが見込め、お手頃価格のホテル・コーポのアパートメントです。
ロンバルディ・ホテル
ロンバルディ・ホテルは、映画【市民ケーン】のモデルとなった新聞王、ウィリアム・ランドルフ・ハーストが、1927年に愛人でサイレント映画スターのマリオン・デイヴィスのために建設した豪華な建物です。1957年にコーポとなり、エリザベス・テイラーやリチャード・バートンといったスターのニューヨークの邸宅にもなりました。
マンハッタンのミッドタウン・イースト、56丁目とパーク・アベニューとレキシントン・アベニューの間に位置し、オフィス街からも徒歩圏内なので、出張者の宿泊先としての需要も高いエリアです。
ホテルのロビーは、2012年、そして廊下は、2015年に改装されています。来年の春には1階にレストランがオープンする予定で、短期滞在者にとって利便性が増すことになりそうです。
現在、ホテルのアパートセクションに、スタジオ、1ベッドルーム、2ベッドルーム、3ベッドルームが合計160戸あります。永住者が所有するユニットやセカンドハウスとしてのみ使用できるユニット、そして投資として使用できるユニットがあります。
法人や外国人名義での購入も可能で、一日単位で賃貸することが出来ます。ただし、予約の手間や清掃コストを考慮すると、利益率を上げるために数週間から数か月単位の賃貸がお勧めです。
今回ご紹介する204号室は投資として使用できるワンルームです。中に入ると右手にバスルーム、左手にクローゼットがあり、クローゼットの横には冷蔵庫と電子レンジがあります。お部屋はアンティーク風に装飾され、落ち着いた雰囲気です。通りに面してないため、喧騒から離れて静かにゆっくりと過ごすことができます。
家具付きで購入できるので、そのまますぐに賃貸に出すことが出来ます。電気代、WiFi、冷暖房、ケーブルテレビ、固定電話、水道、すべてがメンテナンス費に含まれています。ハウスキーピング、ベルマン、コンシェルジュサービス、フィットネスセンター、ビジネスセンター、ビューティーサロン、バレーパーキングなど、ホテルサービスも充実しているのも魅力的です。
ロンバルディ・ホテル
住所:111E 56 th St.#204, New York, NY
売値:$315,000
メンテナンス費(月):$949
想定家賃:$3,000前後(短期貸しの場合の月平均)
ニューヨークで民泊は可能?
ニューヨーク市では今年9月から通称「短期賃貸登録法」と呼ばれる、民泊を厳しく規制する法が施行されました。
民泊にはホテル業界を中心にかねてから規制を求める声が強く、民泊大手のAirbnbは事実上の禁止措置だとして、強く反発しました。
新法の下、短期賃貸(30以内)のホストは市長の特別執行局(OSE)に登録することが義務付けられ、Airbnb、VRBO、Booking.comといったプラットフォーム企業は、未登録者との取引を処理することが禁じられることになりました。短期賃貸が認められるのは、ホストが実際に住んでいる物件で、なおかつ一度に泊めることができるゲストは2人まで。違反したホストには最高で5,000ドルの罰金を課される可能性があります。
なぜ短期賃貸を制限するの?
短期賃貸に使用される物件の増加は、ニューヨーク市の深刻な住宅不足を悪化させ、賃料上昇に拍車をかけるとの批判がありました。さらに防災対策といった安全、犯罪や騒音、衛生上の問題点も指摘されています。
山木 奈美(ナミ・ニューヨーク不動産)