米上院司法委員会は27日、最高裁判事候補のブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)判事に性的暴行を受けたと名乗り出たクリスティン・ブレイシー・フォード(Christine Blasey Ford)教授と、カバノー氏への公聴会を実施した。
#MeTooムーブメントが高まる中、保守派の判事として知られるカバノー氏による性的暴行疑惑を問う、歴史的な公聴会として大きな注目を浴びた。最高裁判事は終身制となっており、現在、最高裁判所の構成は保守派4名とリベラル派4名で構成されている。今年7月退任した中道派のアンソニー・ケネディ判事の後任として、カバノー氏が新たに指名された場合、最高裁での判決は保守派に傾くと予想される。
2,000万人以上のテレビ視聴者数
リサーチ会社ニールセン(Nielsen)によると、大手放送局、ケーブルテレビネットワーク(ABC,CBS,NBC,FOX News,CNN,MSNBC)の視聴者数を合計すると、2,040万人に達した。数字にはソーシャルメディアのストリーミング配信による視聴者は含まれていない。最終的な数字は10月1日に発表される予定。
視聴者数のトップ3は、フォックスニュースが566万人、次いでMSNBCが288万人、CNNが251万人となった。
フォックス、MSNBC、CNNの朝10時から午後6時45分の平均視聴者は約1,100万人。ピーク時は、カバノー氏が証言した午後3時15分から6時45分で、その数は約1,300万人となった。
CNNは、YouTubeや、Facebookなどを含むライブ配信では、2017年のトランプ大統領の就任式以来、最高の視聴者数と発表。
CBSニュースや、デジタルチャンネルのCBSNも、今年最高の視聴者数を記録したと発表している。
過去の公聴会との比較
1991年のクラレンス・トーマス氏の最高裁判事の承認にあたり、セクハラを受けたことを告白したアニタ・ヒル(Anita Hill)氏の公聴会は、2,000万世帯が視聴したとされている。
2017年に開催された、トランプ大統領に解雇されたジェームズ・コミー(James Comey)前FBI長官の公聴会は、1,950万人が視聴した。
なお、24日、公聴会に先立ち、フォックスニュースで放送された、マーサ・マッカラム(Martha MacCallum)氏によるカバノー氏への独占インタビューは約360万人が視聴。同番組「The Story」史上最高の視聴者数を記録した。
全米が注目した公聴会のハイライト
フォード氏は、記憶が曖昧な部分があるものの、落ち着いた様子で、暴行の相手はカバノー氏だと断言。その時の恐怖やトラウマなどを証言。一方カバノー氏は、怒りと涙で言葉を詰まらせながら、自らの潔白を訴えた。
公聴会の翌日、上院司法委員会は投票を実施し、11-10の賛成多数でカバノー氏の最高裁判事の承認を決定する全上院議員による本会議投票に進めることを決定した。
批判の高まりを受け、トランプ大統領はFBIにカバノー氏の性的疑惑を調査するよう指示。本会議投票の実施は1週間延期された。