アジア人接客係の人種差別発言がきっかけと主張。NY飲食店暴行事件

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ニューヨークのアッパーウエストサイドにあるレストランで16日夜、テキサス州から観光で訪れた黒人女性客3人が、スタッフに暴行をはたらき、暴行罪などで起訴された。

当初、ワクチンの接種証明書を巡るトラブルと報じられたが、女性らの代理人は、きっかけは接客をしたアジア人スタッフによる横柄な態度と人種差別発言だったと主張。起訴の取り下げを求めている。一方、店側はこれを否定するなど、両者の説明に食い違いが生じている。

弁護士のジャスティン・ムーア氏の説明によると、女性らはワクチンの接種証明書を提示して店に通されたが、後から加わろうとした男性2人がワクチン証明書と一致する身分証明書を持っていなかった。グループは店を出ようとしたところ、他の従業員の計らいで再び席に戻った。
ムーア氏は、これを気に入らなかったアジア人従業員は、ワクチン証明書は偽物だと示唆した上に、横柄な態度を取ったと主張。さらに人種差別的な言葉を口にしたと述べている。

ムーア氏はまた、従業員が女性たちに「突進した」とも説明。被告人らは、これを暴行しようとしたと思い、従業員を押したと語っている。
さらに従業員が負ったケガについても、他の従業員に押さえつけられたためと主張した。

ABCニュースの取材に「残念ながら黒人女性が黒人以外から差別されることによって、逮捕されたり・辱めを受けるのは珍しいことではない」と語ったほか、別のテレビ局のインタビューでも「米国におけるアジア人の黒人嫌いには、長い歴史がある」と述べるなど、人種偏見に基づく不当な扱いが女性らの行動につながったと主張した。

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レストラン「カーマイン」(Carmine)は新たに発表した声明で、女性3人のワクチン証明書に問題はなく、席に通したが、男性客の一部が証明書を提示できなかった、とムーア氏と概ね一致する説明をした。

一方で、「スタッフに対する暴力は、人種とはなんら関係がない」と反論。「接客係は、すべて有色人種で、誰も人種差別的な言葉を発していない」と述べた。また、逮捕された女性らは、店のマネージャーやスタッフ、逮捕した警察に対して人種差別があったと主張していないとした上で「テキサス州の弁護士の誤った主張は、理不尽な暴力を正当化しようとする皮肉な策略だ」と非難した。

21日に公開された監視カメラの映像には、女性の1人がアジア人の接客係に背後から近づき、つかみかかる様子が映っている。

ブラック・ライブズ・マターが店前で抗議活動

BLMのホーク・ニューサム氏(mashupNY)

20日夕方、店の前にはプロテスターが集結。「キャンセル・カーマイン」「カーマインはレイシスト」といった掛け声とともに、抗議活動を行った。

ブラック・ライヴズ・マター・グレーター・ニューヨークの共同創設者、ホーク・ニューサム(Hawk Newsome)氏は会見を開き、店側は最初、ワクチン証明書を持っていなかった女性らが暴れたと誤った説明をし、黒人女性を中傷しようとしたと非難。

接客係は、人種差別的な発言をした上、敵対的な様子だったとして、無実の犠牲者ではないと思うと述べた。また店側は、ワクチン証明書を言い訳にして、従業員の人種差別的行いを隠蔽しようとしたとも語り、監視カメラのすべての映像を公開するよう訴えた。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。