米アイビーリーグのひとつ、ブラウン大学では、学生の38%がLGBTQ+を自認していることがわかった。同大学の学生新聞ブラウン・デイリー・ヘラルド紙による調査で明らかとなった。調査を開始した2010年は、14%だった。
過去13年間で、異性愛者の割合は25.2%減少した。LGBTQ+で最も一般的なのは、「バイセクシュアル」(LGBTQ全体の53.7%)で、過去13年間に232%増加。ゲイもしくはレズビアンと回答したのは22.9%だった。
近年のアイデンティティの多様性を反映し、2022年からは「クィア」「パンセクシュアル」「エイセクシュアル」「クエスチョニング」が質問項目に加えられた。
ブラウン大学のクィアコミュニティの割合は、全国平均よりも高い。ギャラップが昨年実施した世論調査では、非異性愛者を自認する米国の成人は7.1%だった。2012年は3.5%から倍増した。また、18歳から25歳の世代では、19.7%と高い数値を示した。
2025年に卒業予定のある学生は、今回の調査結果に関して、クィアの人々は長い間、自らのアイデンティティをオープンにすることができなかったとしつつ、背景に「近年の規範意識の拡大がある」との見解を示した。
「トレンド」もしくは、社会の変化?
ニューヨークポスト紙によると、ブラウン大学などリベラル大学におけるLGBTQ+の増加は、「社会的伝染」によるものと指摘する意見もあるという。
ロンドン大学で政治学を専門とするエリック・カウフマン教授はFixメディアの取材に、社会の「寛容さ」もしくは、LGBTQ+が若者の間で「流行」になっているか、2つのセオリーがあると説明。近年の増加の現象を説明するには「後者の説が、より適合する」と語っている。
アメリカ進歩センター (CAP)でLGBTQI+を研究するシャリタ・グルバーグ氏はCNNに対し、Z世代(1997年-2003年生まれ)が育った環境について「LGBTQのアイデンティティへの偏見が減り、その権利が拡大した時期だった」と説明。「性的指向や性自認の多様性に関する意識が向上し、LGBTQへの悪しきイメージが薄れるにつれ、LGBTQを自認する人が、さらに増える可能性がある」と語っている。