5日、連邦議会議事堂をサプライズ訪問したラッパーで起業家の50セント(本名カーティス・ジャクソン 48)は、記者の質問に黒人有権者はバイデン氏よりもトランプ氏に共感を示していると語った。
ジャクソン氏はこの日、著名な人権弁護士、ベン・クランプ氏と共に両党の議員らと面会を果たし、黒人起業家や酒類業界への黒人の進出に支援を訴えた。現在自身のXのアカウントには、民主党のナンシー・ペロシ元下院議長から共和党の現下院議長マイク・ジョンソン氏まで、数々の議員と記念撮影した画像が投稿されている。
なお、ジャクソン氏は酒類メーカー、サイア・スピリッツ社のオーナーで、現在同社はサントリーの米国子会社サントリー・グローバル・スピリッツと係争を抱えている。同日朝、インスタグラムの投稿で「ワシントンD.C.に出向いて、サントリー・グローバル・スピリッツがいかに私のビジネスに損害を与えたか黒人議員連盟と話し合う」と投稿していた。サントリー・グローバル・スピリッツ側はこれまで不正行為を否定している。
記者から、11月の選挙における黒人有権者の重要性について聞かれたジャクソン氏は「私が思うに、彼らはトランプ氏に共感している」と主張。理由を尋ねられると「彼らはRICOで起訴されているからだ」と答えた。
ただし、自分がトランプ氏またはバイデン氏のどちらを支持するかについては明確な回答を避けた。
RICO法(Racketeering Influenced and Corrupt Organizations Act)は、ギャングなどの組織犯罪、特に組織のトップの訴追することを可能とするために1970年に連邦法として成立し、その後各州に広がった。トランプ氏は、2020年大統領選挙の結果を覆す取り組みをめぐり、ジョージア州フルトン郡の検察からRICO法違反を含む13の罪で刑事訴追されている。
ちなみにニューヨークタイムズが5月に6つの激戦州の有権者に対して実施した世論調査では、トランプ氏はこれまで弱いとされてきた若者や有色人種の支持を伸ばしていることがわかった。18歳から29歳とヒスパニックの有権者では、トランプ氏はバイデン氏と「基本的に同等」の支持を獲得。黒人有権者の支持率は20%で、1964年の公民権法制定以来どの共和党大統領よりも高い水準に達している。