トランプ氏に反対するミュージシャンが多いなか、ヒップホップ界の複数の大物が相次いで、トランプ氏の支持を表明している。
スヌープ・ドッグは先日、(デス・ロウ・レコーズの設立に関わった)マイケル・ハリス氏に恩赦を与えたことを理由に、「ドナルド・トランプに対して愛と尊敬しかない」と支持する姿勢を示した。ハリス氏は1990年に麻薬取引に関する罪で有罪となり、2028年まで刑期が残っていた。
ほかには、コダック・ブラックやリル・パンプ、セクシー・レッド、チーフ・オキーフらも過去にトランプ氏を支持する発言を行っている。
50セント 移民対策に怒り
ラッパーの50セントは、ニューヨーク市の移民政策にSNSで怒りをあらわにし、トランプ氏を支持する可能性を示唆した。
ニューヨークポスト紙は2日、市がマンハッタンにある高級ホテル「ルーズベルトホテル」に滞在中の移民に対し、食料品や生活必需品を購入するための資金として、1家族あたり毎月1,000ドル(約15万円)または1食あたり35ドル(約5,000円)を支払う計画があると報じた。
パイロットプログラムの予算は5,300万ドル(約78億円)で、500家族にプリペイドカードを支給する。成功した場合、他のシェルターに滞在する移民へと拡大するとしている。
50セントは3日、この計画を報じたポスト紙の記事をSNSでシェアし、3,100万人のフォロワーに向け「WTF、アダムス市長が俺に電話をかけてきた。これがどうやって機能するのか。誰か教えてくれ。俺は絶句している。おそらくトランプこそが答えだ」とトランプ氏の支持を匂わせるコメントを投稿していた。
ニューヨーク市のエリック・アダムス氏は会見で、計画は市にとって月6万ドルの予算削減につながる上、食料品店など地元経済の活性化につながると説明している。
あっさり撤回?
なお50セントはその後、アダムス氏と直接対話する機会があり、市長の言い分について納得したようだ。
先の投稿を削除し、アダムス氏の動画と共に、プログラムは「的を射ており、うまくいきそうだ」と賛同を示すコメントを投稿した。非難の矛先は、州のトップに向けられており、「今度はホークル知事と、ニューヨークの状況を改善する妨げとなっている法律について話したい」と述べ、「移民対策の24億はドルはどこから来るのか。私の税金はダメだ!」と財源について牽制した。
SNSのコメント欄には、「ハイチ人を送り返したのに、別の人々はタダで滞在し、政府の支援を受けている」「税金を使うな!という声を拡散して」「アメリカ人のホームレスがこんなにいるのに、無関係の人々に20億ドル??」といった不満や、「送り返した方が安上がり」「その予算を奴隷補償にまわすよう知事に伝えて」「50セントを知事にしよう」などの意見が投稿されている。
一方で、市長から即座に言いくるめられた50セントに対し、「何かいい条件を提示されたんだろう」と勘繰る声や、「お前は今や25セントだ」「影響を与えないようなフェイクミュージシャンは口を慎め」など非難の声が上がっている。
なお50セントは2020年の大統領選で、バイデン氏が掲げた富裕層への増税案(ニューヨークでは最高60%)が気に食わないとして、トランプ氏への投票を呼びかけていた。バイデン氏が当選した暁には、米国を出ていくと豪語していた。