先月、トランプ氏と関連企業に対する捜査に関して、起訴の是非を問うために「特別な大陪審」を招集したと報じられたマンハッタン地検。2018年に始まった捜査は、範囲を拡大し、関連企業が所有する資産に関する評価や、企業幹部に支払われた手当てなどと並んで、トランプ氏が性的関係を持った疑いのあるポルノ女優2人に支払われた口止め料についても、継続して調査をしていると伝えられている。
このうちの一人、ストーミー・ダニエルズ氏(本名:ステファニー・クリフォード)は、2006年に開催されたゴルフトーナメントでトランプ氏と出会い、ホテルで性的関係を持ったと主張している。なおメラニア夫人はこの数カ月前に息子バロン君を出産したばかりだった。2016年にトランプ氏が共和党の大統領予備選に勝利すると、当時トランプ氏の個人弁護士だったマイケル・コーエン氏から、関係を非開示とする代わりに13万ドルを支払う契約を持ちかけられ、これに応じたとしている。
コーエン氏は2018年に、支払いは大統領選に影響を及ぼす意図があったとして違法とされ、脱税や議会への偽証ともに計8件の罪で起訴された。同年、コーエン氏はすべての罪で有罪を認め、実刑判決を受けた。有罪答弁で、トランプ氏の指示のもと2人の女性に支払いをしたと証言した。
トランプ氏は2人との関係を否定しているが、コーエン氏はトランプ・オーガニゼーションから、ダニエルズ氏への支払いに対する払い戻しを受け取っていた。
ストーミー・ダニエルズ 大陪審で証言を希望
ダニエルズ氏は7日、CNNのインタビューで、証言には呼ばれていないとしつつ、「捜査の最初から、法廷で話すことを何よりも望んでいて、証言を提供し、検察官から求められるいかなる証拠も提出することを前向きに考えてきた」と語った。
ダニエルズ氏は「すべて原型のままで、メールや振り込み記録」などの証拠を保持していると主張。「一人が犯罪で刑務所に入って、もう一人が捜査さえされないなど理解できない」と述べ、検察に求められるならば「ドナルド・トランプの指示で設けられた銀行口座からお金が振り込まれた証拠があることを話す。その金はロシアの資金にまでさかのぼることを話す。振込やすべての記録を提供する」と話した。
ダニエルズ氏は、自身の弁護士が、トランプ氏の捜査をしている検察官と連絡を取っていると話した。また自分も別件で面会を行なっていると明かした。