政権交代後、支持者の間ではトランプ前大統領の復帰に関するデマが度々拡散されてきた。ここ最近は8月復帰説が出回っており、トランプ氏自らも8月復帰の可能性を周囲に話しているなどと伝えられた。
週末にダラスで開催された保守政治活動会議(CPAC)では、会場で配られたというトランプ氏の早期復帰の方法を記したカードが、複数のメディアに取り上げられ、話題となった。
フォーブスの記者が参加者から入手したカードは「トランプ氏を数年ではなく数日で復帰させる7ポイントプラン」と題され、バイデン大統領が弾劾されるなどして、トランプ氏がいきなり大統領に返り咲く方法が記載されている。
このシナリオによると、民主党の「ホラーショー」の幕が開き、ナンシー・ペロシ下院議長が「意地悪な魔女」のごとく溶けて消え、形勢が逆転。「信頼を得ている保守議員」が議長の座につき、選挙不正を暴いて、トランプ氏の勝利が明らかにされる。下院議長はバイデン氏とハリス氏の弾劾条項を作成し、その後「市民」のトランプ氏を下院議長に選出することで大統領継承順位の第3番目に据える。最後には、二人を弾劾裁判によって追放し、トランプ氏が大統領になる、と主張している。
インサイダーによると、カードは「Patriots Soar」と呼ばれるグループが作成しており、CPACの主催組織とは関連がない。
カードに記されたURLに飛ぶと、マーティン・ルーサー・キングやJFKジュニア、マリー・ジョー・コペクニの死は「秘密の悪魔の犠牲」で、民主党が関与しているなどといった陰謀論を主張している。「ホラーショー」は、これらが明らかにされることらしい。
復帰の話が、支持者らの間でどれほど真剣に受け止められているのか明らかではない。しかし、5月に行われたイプソスとロイターの世論調査では、共和党支持者の56%が昨年の選挙が不正操作されたと回答、53%がトランプ氏が本当の大統領だと答えるなど、トランプ氏の敗北を受け入れられない支持者が驚くほど多いことが判明している。
一方、政府は、デマや陰謀論が1月6日のような暴動に発展することを警戒している。ポリティコによると、国土安全保障省の対テロ部門のトップは先月、下院国土安全保障委員会の議員らに、8月の復帰説について強く懸念していると伝えたという。