NBCニューヨークの取材に応じたトランプ前大統領の元顧問弁護士ルディ・ジュリアーニ氏は、自分に対する犯罪捜査を「違法」と非難。無罪を主張する一方で、刑務所に「喜んで行こう」などと語った。
ジュリアーニ氏がかつてトップを務めたニューヨーク南部地区連邦検事局(SDNY)は今年4月、捜索令状を執行し、マンハッタンにある自宅とオフィスから携帯電話とパソコンを押収した。ウクライナにおける活動が、ロビー活動に関する連邦法に違反した疑いがあるほか、マリー・ヨヴァノヴィッチ元駐ウクライナ大使の解任に果たした役割についても捜査が進められていると報じられている。
ジュリアーニ氏は「罪を犯してなどいない。君たちはおそらく本当にイカれてる。私が誰だか知らないのだ」と話し、続けて「マフィアを刑務所に入れ、テロリストを刑務所送りにし、エド・コッチのコミッショナーを刑務所に入れ、ウォール街の最悪の奴らを…」と連邦検事時代の功績について言及。捜査は的外れで政治的動機に基づいていると非難した。
さらに「俺を刑務所に入れたいのならば、喜んで行こうじゃないか」と述べ、「もしそうすれば、彼らはあの世で罰を受けることになる」と語った。
刑務所発言の真意を聞かれると、「彼らは嘘をついているからだ。イカサマをしている」と説明。ニューヨークのクオモ州知事と自分とでFBIの扱いが異なると述べ、「司法がひどくゆがんでいることを君たちは知らないのだ。これはただの一例にすぎない」と語った。
司法省の市民権局は先月、パンデミック中の州営の老人ホームにおける死者数の扱いに関して、調査しない意向を明らかにした。なお、老人ホームのコロナ患者受け入れに関するクオモ政権の政策については、現在も連邦捜査官による捜査が継続しているとみられている。
インタビューは当初、同時多発テロ事件の20周年に関する内容を予定していたという。
この代わりに、ジュリアーニ氏は1月6日の議事堂襲撃事件を同時多発テロになぞらえて「冒涜的な行いだ」と発言。「1月6日は犯罪だと信じている。彼らは不法侵入の罪を犯し、破壊行為をしたと思う」述べる一方、自分は暴力を扇動していないと主張した。
ジュリアーニ氏は、事件直前に開催された集会で演説を行い、選挙について「決闘裁判」をしようとトランプ支持者に呼びかけていた。
過去数年の行いで名声が落ちたと感じているかと問われると「私はそれをコントロールできない。私のレガシーをコントロールできないのだ」と答え、「嫌疑が晴れると信じている」と語った。
昨年の大統領選では、選挙結果を覆す取り組みが不発に終わった挙句、ポルノショップの隣で開いた会見や、黒い汗疑惑、おならゲートなど不名誉な話題に事欠かなかったジュリアーニ氏。カメオ出演した昨年公開の映画「ボラット」では、ラジー賞2冠を達成した。現在は、犯罪捜査に加え、投票機メーカーによる複数の名誉毀損訴訟にも直面している。さらに、一連の取り組みを通じて「法廷、議員、公衆に対して虚偽かつ誤解を招く発言」を行なったとして弁護士資格の停止処分を受けるなど、9.11で強力なリーダーシップを発揮したかつての「アメリカの市長」は厳しい現実に直面している。