コメディアンのマーク・マロンのポッドキャスト「WTF」に出演した俳優のジョージ・クルーニーは、映画「Rust」の撮影現場で起きた誤射事件について、「馬鹿げたミス」が重なった結果だと批判した。
事件があったのは、先月21日。ニューメキシコ州サンタフェにある撮影現場で、俳優でプロデューサーのアレック・ボールドウィンがリハーサル中に放った銃に、誤って実弾が込められていた。銃弾は、撮影監督のハリーナ・ハッチンス氏の胸部と監督のジョエル・ソーザ氏の肩にあたった。ハッチンス氏は搬送先の病院で死亡が確認された。
銃を用意したのは、武器係の責任者ハンナ・グティエレス・リード氏(24)で、銃を手渡したのはアシスタント・ディレクターのデイブ・ホールズ氏だった。
ハリウッドレポーターによると、クルーニーは番組で、1993年に映画「クロウ/飛翔伝説」の撮影中に、小道具として使用された銃の発射事故で死亡したブランドン・リーに言及。スポーツで共に汗を流すなど、親交が深かったと明かしつつ、「馬鹿げたことが重なって起きた」事故だと振り返った。
これ以来、クルーニーは、小道具の銃を扱う際の安全手順を守り続けていると明かした。「毎回、銃が渡される度に、中を開き、銃を向ける相手に中身を見せ、スタッフに見せる。1テイク撮り終わる度に、武器係に戻す。それを繰り返している」と話した。
Rustの事件について、「40年間俳優をしてきた」とした上で、銃の責任者は「小道具係か武器係しかいない」と、いずれかの落ち度との考えを示した。
ボールドウィンについて、個人的に面識はないとしつつ、経験の浅いプロデューサー陣による低予算映画で、なぜ経験ある武器係を雇わなかったのか、と疑問を呈した。ボールドウィンは、同作品に俳優兼プロデューサーとして関わっている。
クルーニーはまた、スタッフらが撮影前、実弾入りの銃で射撃訓練を行っていたと報じられていることについて、本当であれば「常軌を逸している」「腹立たしい」と憤りを示した。
さらに「コールドガン」という言葉は、「聞いたこともない」とも話した。
捜査当局によると、ボールドウィン氏は銃を受け取る際、アシスタントディレクターから、実弾が込められておらず、安全であることを意味する「コールドガン」だと伝えられていた。
クルーニーは、事件が意図的なものではないとの考えを示しつつ、「悲劇が重なったことだが、同時に、馬鹿げた間違いが多かった」と語った。
なお、ボールドウィンは事件後、事件を繰り返さないため、今後はすべての撮影現場で警察を雇うべきと自説を展開。ネットでは的外れな提案だとして、批判的なコメントが相次いだ。