ルイ・ヴィトンのメンズコレクションのアーティスティック・ディレクターで、OFF-WHITE(オフホワイト)の創設者、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)さんが28日、シカゴで死去した。41歳だった。
アブローさんは、2年前から、原発性心臓腫瘍を患っていたという。SNSの発表では「まれで進行性のがん」だと説明している。
アブロー氏は2018年3月、黒人として初めて、ルイ・ヴィトンのメンズ部門のアーティスティック・ディレクターに就任。同年タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」パイオニア部門に選出されるなど、注目の高いデザイナーだった。
LVMHの会長ベルナール・アルノー氏は声明で「大きなショックを受けている」と述べ、「ヴァージルは、天才デザイナーであるだけでなく、美しいソウル、優れた見識、先見の明を持ち合わせていた」と早すぎる死を悼んだ。
アブロー氏は1980年9月30日、イリノイ州のロックフォードで、ガーナ出身の移民の両親のもとに生まれた。
ウィスコンシン・マディソン大学で土木工学を学んだ後、イリノイ工科大学で建築の修士号を取得している。
22歳でラッパー、カニエ・ウエストのクリエイティブ・ディレクターを務めた後、2012年に自身のブランド、パイレックス・ヴィジョン(Pyrex Vision)を立ち上げた。
2013年に、ミランを拠点としたハイエンドのストリートブランド、OFF-WHITE(オフホワイト)を創設。ロゴの入ったアイテムが、若者の間で一躍人気となった。
ラグジュアリーブランドだけでなく、ナイキやコンバース、ティンバーランド、ブラウンズ、IKEA、エビアンなどのコラボレーション商品を手がけたほか、ニューヨーク・シティ・バレエ団の衣装や、女子テニスのセリーナ・ウィリアムズ選手のユニフォームをデザインするなど、幅広い分野く活躍してきた。