ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」(SATC)で、ミスター・ビッグ役を演じた俳優、クリス・ノース(Chris Noth)(67)に、2人の女性に対する性的暴行疑惑が浮上した。16日、ハリウッドレポーターが報じた。
クリス・ノースは、9日に米国で放送を開始した続編「アンド・ザ・ジャスト・ライク・ザット」(And Just Like That…)の第1話に出演しており、ドラマへの影響を懸念する声も上がっている。
被害を告発したゾーイさん(仮名、当時22歳、現在40歳)によると、クリス・ノースには、2004年ロサンゼルスで出会った。当時、SATCの人気は絶頂期で、「神のような存在」だったという。
タレントエージェンシーのアシスタントをしていたゾーイさんは、電話番号を交換。ある日、書籍を届けるため、ウエストハリウッドにあるアパートメントを訪れた。
そこで、キスをされた上、背後からレイプされた。痛みのあまり、止めるよう叫び、せめてコンドームを着けて欲しいと要求したが、クリス・ノースは笑っていたという。
その後、友人と病院を訪れ、手当てを受けた。病院には、暴行の事実を報告。2人の警官から聴取を受けたが、解雇を恐れ、相手の名前は明かさなかったという。なお、病院側は同誌に、2004年の診療記録を保管していないと伝えている。
今回の告発に至った経緯に関して、ゾーイさんは性的暴行の記憶を封印しようと努めてきたが、続編がスタートしたことで、クリス・ノースが再び脚光を浴びているのを見て、当時の記憶が蘇ったためだと話した。
もう1人の女性、リリーさん(当時25歳、現在31歳)は2015年、ニューヨークで被害にあった。マンハッタンのナイトクラブ「No.8」にあるVIPセクションで働いていた時に、当時60歳だったクリス・ノースに出会い、連絡先を交換した。リリーさんは、ドラマ「ロー&オーダー」以来のファンだったという。
なおクリス・ノースは2012年、女優のタラ・ウィルソン(Tara Wilson)と結婚しており、既婚者だった。
その後2人は、SATCの撮影に使用されたレストラン「イル・カンテノーリ」で落ち合い、お酒を飲んだ。グリニッジ・ビレッジにあるクリス・ノースのアパートメントに移動。そこでも、ウイスキーを飲みながら、音楽を聴き、ファッションやアートについて語り合うなどしたという。リリーさんによると、クリス・ノースはズボンを脱ぎ、ペニスをリリーさんの口に入れ、性行為を強要した。
翌日、リリーさんの携帯電話にはメッセージが残されており、「楽しかった。女友達には、話さないで。2人だけの間の出来事にしてもらえるとありがたい」など口外しないよう求められたという。ディナーや飲みに行こうと誘われたが、その後、会うことはなかった。
クリス・ノースは、これらの疑惑を否定している。ニューヨークポスト紙に対し、「合意があった」としており、性的暴行はしていないと断言した。
警察が調査を開始
Deadlineによると、この報道を受け、ロサンゼルス市警は2004年の事件に関して、被害届の有無を調査しているという。
また、先日クリス・ノースを起用したCMをリリースしたばかりのフィットネス大手、ペロトン(Peloton)社は、「すべての性的暴行の告発は、真剣に受け止めなければならない」と発表。CMを取り下げた。