米人気ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」(SATC)でミスター・ビッグ役を演じたクリス・ノース(Chris Noth)(67)に、さらなる性的暴行疑惑が浮上した。告発した女性は、ドラマのロケ地にも使用された有名飲食店で被害にあったとしている。
デイリービーストによると、アヴァさん(仮名、当時18歳)は2010年、マンハッタンのミッドタウンにあるイタリアンレストラン「ダ・マリーノ」(Da Marino)で働いていた。
演劇学校を卒業したばかりのアヴァさんは、キャリアを磨くため、通行人の呼び込みや、歌手としてパフォーマンスを行っていた。呼び込む客の人数が多いほど、ステージの時間を長くもらえたという。
ダ・マリーノは、SATCに登場したロケ地で、ビッグが、主人公のキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)に、歌を披露する場面が収録された。公式サイトのギャラリーには、クリス・ノースの写真も、複数掲載されている。
クリス・ノース(当時55歳)はこの時期、店を何度か訪れており、「いつも酩酊状態」だったという。ある日、店でデュエットをした後、テーブル席でアヴァさんの体を引き寄せた上、勃起したペニスを押し付け、体をまさぐった。
シフトを終えたアヴァさんを、マネージャーの部屋に呼び出し、キスをしたほか、タイツをおろし、性行為をしようとした。タンポンを使用していることに気づき、生理がいつ終わるのかなどと尋ねたという。クリス・ノースは、アパートで待つと言い残し、先に帰ったが、アヴァさんはそのまま、自宅に戻り、連絡しなかった。なお、アヴァさんは現在30歳で、テック企業の幹部を務めているという。
クリス・ノースの代理人は、People誌に対し、「完全なでっち上げ」「決して一線を越えたことはない」と、疑惑を否定している。
性的暴行を名乗り出た女性は、アヴァさんで3人目。ハリウッドレポーターは16日、2人の女性が、20代の時にクリス・ノースから性的暴行を受けたとする告発記事を掲載した。これらについて、クリス・ノースは「合意があった」として、暴行の疑惑を否定している。
契約が次々と終了
クリス・ノースは、今月上旬にスタートしたSATC続編ドラマ「And Just Like That」の第1話に再登場しており、ドラマへの影響を懸念する声も上がっている。
CMに起用していた在宅フィットネス大手のペロトン社は17日、広告の配信を停止すると発表した。同社は、第1話の「パロディCM」を公開し、話題となった。
またニューヨークポスト紙によると、クリス・ノースは自身のテキーラ・ブランド「Ambhar」を、1200万ドルでEntertainment Arts Research社に、売却する予定だったが、交渉は白紙になったという。
ハリウッドレポーターは、エージェンシーのA3 Artists Agencyが18日、契約を破棄したと報じている。
契約が次々と終了するなか、ドラマを製作しているHBOや、プロデューサー兼主演のサラ・ジェシカ・パーカーらは、声明などを発表していない。
クオモ前州知事のかつてのライバルで、ミランダ役を演じているシンシア・ニクソンに対し、クリス・ノースの件についても、言及すべきだとの声も上がっている。
シンシア・ニクソンは、クオモ氏が辞任した際、セクハラ疑惑を厳しく追求していた。