ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」(SATC)続編に再出演した「ミスター・ビッグ」こと、クリス・ノースの性的暴行疑惑報道から5日、サラ・ジェシカ・パーカーら共演者がついに声明を発表した。
続編「アンド・ジャスト・ライク・ザット」(And Just Like That…)の放送開始後まもなく、これまでに3人の女性が、過去に性的暴行を受けたと、メディアに告発した。
サラ・ジェシカ・パーカーとクリスティン・ディビス、シンシア・ニクソンの主役3人は、連名で声明を発表。「クリス・ノースに対する告発に対し、非常に悲しい気持ちだ。われわれは、辛い経験を明かし、それを共有してくれた女性を支持する」と述べ、「非常に困難を伴うものだったに違いない」と理解を示し、行動を称賛した。
なお3人は、プロデューサーとしても番組に関わっているが、製作側は、声明を発表していない。
これまでの疑惑
ハリウッドレポーターは16日、ゾーイさん(仮名、当22歳)は2004年、ロサンゼルスで、またリリーさん(仮名、当時25歳)は2015年、ニューヨークのグリニッジビレッジで、レイプされたと報じた。
2日後には、デイリービーストが、アヴァさん(仮名、当時18歳)は2010年にマンハッタンのイタリアンレストラン「ダ・マリーノ」で働いていた際、暴行されたと報じている。
クリス・ノースの代理人は、先の2人の女性に対しては「合意があった」と述べ、3人目の女性については「完全なでっち上げ」と主張。「決して、一線を越えたことはない」と、すべての疑惑を否定している。
ネットの反応は?
サラ・ジェシカ・パーカーら3人が声明を出したのは、最初の報道から5日間後。沈黙を続けるキャストに対し、女性の告発を支持しないのかと疑問を投げかける声が寄せられていた。
ネットでは、声明を支持する声が上がった。これに対し、「適正手続は必要」「SNS裁判所と、世論で有罪になった」など、女性側の一方的な主張を受け入れたして、非難の声も上がっている。
また、すでに1995年には、元妻に対するDV疑惑があったとして、共演者は、クリス・ノースの女性の扱いを知っていたはずだと指摘するコメントも投稿されている。
契約が次々と解除
HBO Maxは、対応を発表していないが、疑惑の報道直後、ドラマの「パロディCM」を放送した大手フィットネスのペロトン社が、広告の配信を停止したほか、エージェントもクリス・ノースとの契約を解消するなど、キャンセルが止まらない状態となっている。
自身が所有するテキーラ・ブランド「Ambhar」の売却交渉は、契約成立の直前で、白紙になったという。売却額は、1200万ドル(約1.35億円)だったと報じられている。
また、元CIA長官役として出演していたCBSドラマ「イコライザー」(The Equalizer)も、降板したことが分かった。既に撮影済みのエピソードだけが、放送されるという。
SATCの続編に関して、クリス・ノースとサラ・ジェシカ・パーカーは、パリでも撮影が行われていたと報じられている。
しかし、#MeTooムーブメント以降、セクハラや性的疑惑に対する世間の目は非常に厳しく、今後ドラマに再登場する見込みは薄そうだ。