ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」(SATC)の「ミスター・ビッグ」こと、俳優クリス・ノース(Chris Noth)(67)に、4人目の性的暴行疑惑が浮上した。
被害を訴え出たのは、シンガーソングライターのリサ・ジェンティル(Lisa Gentile)さん。23日、大物弁護士グロリア・オールレッド氏が同席の上、被害を告発した。
クリスノースと出会ったのは、1998年。マンハッタンにあるイタリアンレストラン「ダ・マリーノ」だった。クリス・ノースは、店の常連だったという。
被害にあったのは2002年。友人と店を訪れていたジェンティルさん(当時29歳)が店を出る際、クリス・ノースは車で家まで送ると提案し、これを受け入れた。しかし家に着くと、部屋を見てみたいと言って、上がりこんだ。
キッチンでワインをふるまったが、クリス・ノースは無理やりキスを迫り、シャツの中に手を入れるなどした。胸を強く触ったり、ペニスを触らせようとしたという。
押しのけると、「ティズ」(思わせぶりな女)や「ビッチ」などと罵倒し、部屋を出て行った。
翌日、クリス・ノースは電話をかけ、昨晩の出来事を口外したら、彼女のキャリアを「潰す」「業界のブラックリストに載せる」などと脅したという。
これまで告発を控えた理由について、「クリス・ノースのパワーと、キャリアが潰されることを恐れた」ためだと説明。さらに、クリス・ノースによる被害を訴え出た、他の女性を支持するためだと明かした。
SATCは今月上旬、続編「And Just Like That…」の放送が開始したばかり。第1話の放送後、3人の女性が被害を訴え出た。
オールレッド弁護士は、ジェンティルさんのように、性的暴行の被害者やサバイバーが、被害を訴えるのに何年もかかるケースがあると指摘。共演者のサラ・ジェシカ・パーカーやシンシア・ニクソン、クリスティン・ディビスに対し、現在ニューヨーク州議会に提出されている法案「成人サバイバー法」(Adult Survivors Act)を支持するよう求めた。
同法は、2019年に成立した「児童被害者法」(Child Victims Act)をモデルにしたもので、時効が過ぎた後でも、加害者を訴える機会を与える法律。現在審議が滞っているという。
なおクリス・ノースは、3人の女性に対する性的暴行疑惑について、すべて否定している。しかし、エージェントは契約を解除したほか、出演中のCBSのドラマ「イコライザー」の降板が発表されるなど、キャンセルが止まらない状態となっている。
なおロザンゼルス警察は、2004年のウエストハリウッドでの性的暴行に関して、警察への届け出はなく、当時捜査は行われなかったと発表している。