「地獄のロック・ライダー」などのヒットアルバムで知られる歌手で俳優のミートローフ(Meat Loaf)が死去した。74歳だった。
訃報はフェイスブックに投稿された。家族や近しい友人に見守られながら息を引き取ったという。死因は明らかにされていない。
TMZは情報筋の話として、今週前半、ショーの打ち合わせを兼ねた食事に出席を予定していたが、新型コロナウイルスによる深刻な症状を発症したとして、キャンセルしていた。症状は急速に悪化したという。ミートローフは最近、仲間らとオーストラリアで、ワクチン義務化への抗議活動をしていたとも伝えられている。
昨年5月にはFacebookにエリック・クラプトンとの2ショット写真を投稿。クラプトンが参加したヴァンモリソンの楽曲で、反ロックダウンを歌った「Stand and Deliver」を紹介し、「聴いて学ぼう」とコメントしていた。
ニューヨークポスト紙によると昨年9月、「Cameo」に投稿した動画では、依頼者のファンの誕生日を祝しつつ、「コロナが厄介なことはわかっている。みんな苦しんでいるんだ。中国のせいだ」と話していた。動画ではまた、ハッピーバースデーソングを数節歌うと、突然中断し「今日麻酔を受けたから、本当は歌えないんだ。喉にパイプを入れた。そう、今朝内視鏡をね」と明かしたという。
英紙サンによると、度重なる病気や怪我に悩まされており、「猫に九生あり」ならぬ「猫に48生あり」と冗談を飛ばしたこともあった。
昨年11月、背中の手術を4回受けたことを告白。「背中の手術はすべてをダメにする」とステージから遠ざかっていた理由を述べ、「ちょっとどころじゃない、立っていられないほどの痛みだ。助けなしではベッドの出入りさえできない。何にもできないんだ」と投稿していた。
ミートローフ(本名、マーヴェン・リー・アーディーさん)は、1947年テキサス州ダラス生まれ。
1977年のデビューアルバム「地獄のロック・ライダー」(Bat Out of Hell)が大ヒット。世界で4,000万枚以上を売り上げ、ロック史に残る成功を収めた。収録曲「66%の誘惑(Two of Three Ain’t Bad)」と「パラダイス・バイ・ザ・ダッシュボード・ライト(Paradise by the Dashboard Light)」は、アメリカレコード協会(RIAA)のプラチナ認定を受けた。
1994年には「愛にすべてを捧ぐ」(I’d Do Anything for Love)でグラミー賞の最優秀ソロ・ロック・ヴォーカル・パフォーマンスを受賞した。
俳優としても活躍。カルトな人気を誇る映画「ロッキー・ホラー・ショー」(1975)や「ウェインズ・ワールド」(1992)「ファイト・クラブ」(1999)など60作品以上の映画やテレビドラマに出演している。