10日未明、ニューヨーク市の地下鉄車内で、乗客の女性が刺される事件が起きた。
ニューヨークポスト紙によると、午前12時30分ごろ、ワシントンハイツ付近を走行する1番線の車内で、男が女性(19歳)とボーイフレンドに近づき、時間を尋ねた。男は質問を繰り返したが、2人は答えなかったという。その後、一旦離れたが、再び戻り、持っていたナイフで女性の左腕を刺した。
男は168thストリート駅で降り、逃走。女性は近くの病院に搬送され、治療を受けた。命に別状はない。ABCニュースは、犯人は浅黒い肌で、迷彩柄のシャツに黒いパンツを着用していたと報じている。
ポスト紙は、この事件の前後に、アッパーマンハッタンやブロンクスで、少なくとも3件の刺傷事件が発生したと報じている。
ワシントンハイツの事件の15分後、ブロンクスのキングスブリッジハイツの路上で、喧嘩の末、39歳の男性が、男から首を刺される事件があった。男性は病院に搬送され、容体は安定しているという。容疑者はまだ捕まっていない。
これとは別に、深夜過ぎ、ハミルトンハイツで、24歳の男性が歩行中、背後から背中と右太腿を刺された。男性はハーレム病院に搬送され、無事だという。警察によると、被害者の男性は捜査に「非協力的」だといい、事件を取り巻く状況は明らかにされていない。
さらに9日の午後10時頃、同じくハミルトンハイツの路上で、52歳の男性が右腕を刺される事件が起きた。男性はハーレム病院で手当を受け、命に別状はないという。
犯罪件数が急増
ニューヨーク市警察の発表によると、先週一週間の市内の犯罪件数は、昨年同時期から60%増加した。車の窃盗が大幅に増加し、昨年に比べて2倍以上の255件となった(2021年は118件)。重窃盗は470件から980件(93%増)、レイプ事件は21件から35件(67%増)に増加した。交通機関の犯罪は89%増の34件となった。今年に入ってからの犯罪件数は、全体で42%増加したという。