ニューヨーク市地下鉄の構内で19日、4人が刃物で刺されたほか、1人が電車にはねられ死亡する事件があった。
NBCニューヨークによると、クイーンズのジャマイカ駅で午前3時ごろ、ホームレスの男性が刺され、負傷。この12時間後、ブルックリンにある3番線のリヴォニア駅で、20歳の女性が、背後から殴った男と口論となったのち、刃物で腹部を3回刺された。
さらに午後8時半ごろ、ワシントンハイツのウエスト168ストリート駅で、24歳の男性が、所持品を奪われそうになった挙句、カッターで足を切られる事件があった。午後9時には、コロンビア大学のウエスト116ストリート駅付近を走行中の車内で、31歳の男性が、何かを吸っていた男に、座席を移動するよう求めたところ、刃物で腕を刺された。
午後10時半には、マンハッタンの3番線の50ストリート駅構内に侵入し、線路を歩いていた男性が、電車にはねられ、死亡した。
違反行為の取り締まりを強化へ
市内の公共交通機関での犯罪は増加傾向にあり、今年の犯罪件数は267件で、昨年同時期(167件)から65%増加した。
先月は、アジア人女性が、タイムズスクエア駅でホームレスの男に線路に突き飛ばされ、死亡する事件があった。今月はレイプ未遂や、刺傷事件が相次いで報告されている。
エリック・アダムス市長とキャシー・ホークル知事は18日、地下鉄で寝泊まりするホームレスの排除などを含む「地下鉄安全計画」を発表したばかりだった。
計画は21日から実行する予定で、警察官が、ホームレス局や保健精神衛生局の職員、メンタルヘルスのソーシャルワーカーと連携し、地下鉄規則の違反行為の取り締まりを強化する。
これに対し、ホームレスの擁護団体からは、ホームレスと精神疾患を犯罪化することは、解決策にならないと非難する声も上がっている。