ロシアでは、戒厳令の発令を恐れる多くの市民が、国外への脱出を急いでいるという。Axiosが報じた。
同サイトは、プーチン氏が間もなく戒厳を布告し、国境を閉鎖して、国内反対派をさらに厳しく取り締まるといった噂が広がっていると伝えている。
ロシア国内では、すでに言論統制が強まっており、一部報道によると、24日のウクライナへの侵攻開始以来、ロシアで拘束された反戦デモ参加者は、すでに8,000人を超えているという。
国家院では、ロシア軍隊に関する「フェイクニュース」を拡散した者に、最高で15年の禁錮刑を科す法案が通過したほか、ニューヨークタイムズは3日、ロシアの独立報道の中心的メディアが、相次いで閉鎖や停止を余儀なくされたと伝えた。
国外メディアでは、BBCやボイス・オブ・アメリカをはじめとするウェブサイトが、偽情報を拡散しているとしてブロックされたという。
Axiosはまた、ロシア第2位の航空会社が、明日より国際線の全フライトを停止すると発表したと伝えている。
あるツイッターユーザーは、戒厳令の噂を聞いて、モスクワから一晩かけてバルト三国の国境まで行ったが、航空券が一枚も残っていなかった友人の話をシェアしている。
戒厳令は、一般的に戦時や国家危機の際に発動され、軍事政権が一時的に民政に取って代わる。英紙インディペンデントは、戒厳下では通常の法の支配が延期され、軍が、表目上は国民の最善の利益のために政府機能を監督するが、1989年の天安門事件など、中央集権体制の下で、反対意見を抑圧する手段として展開されてきたとしている。
ロシアで戒厳令が発動されれば、反対派を黙らせるために、軍に強大な検閲をする権限が与えられることが予想され、同紙は、軍がメディアを支配し、ネットフォーラムやSNS、コミュニケーションアプリを閉鎖するほか、抗議者を投獄、旅行を制限するだろうと伝えている。