2020年の王室離脱以来、夫婦としては初めとなる訪英を果たしたヘンリー王子とメーガン妃に、賛否の声が上がっている。
二人は14日、国際スポーツ大会「インビクタス・ゲーム」出席のためにオランダへ行く途中、英国を電撃訪問し、エリザベス女王とチャールズ皇太子と面会した。
TMZによると、夫妻は12日夜に民間機のファーストクラスで、ロサンゼルスからロンドンに移動した。情報筋は、常に護衛が同行していたと話しているという。
夫妻は王室を離脱したことで、訪英時のロンドン警察による警護を失った。私費で警察を雇う申し出も拒否されたが、ヘンリー王子はこの判断を不当として、政府を提訴している。ロンドン警察が必要な理由について、米国の警備チームは、英国の諜報機関の情報にアクセスが許可されておらず、妻子の安全を守るには不十分だと主張。警察による警護なしでは帰国できないとしていた。
先月、フィリップ殿下の一周忌の礼拝への参加を見送っており、ネットでは「祖父のメモリアルへの出席を拒み、護衛をめぐって政府を提訴しているのに、オランダには行くんだ」など、批判的なコメントも寄せられている。
王室の警備を担当してきた元警察官のケン・ワーフェ(Ken Wharfe)氏は、MailOnlineに対し、追悼式典は警護が与えられたはずだと述べ、「なぜオランダの方が、安全だと考えたのか、当惑している」と語っている。
インビクタス・ゲームは、英国陸軍に仕えたヘンリー王子が、兵役で負傷した退役軍人に敬意を表するために企画したもので、2014年から開催されている。ハーグでの大会は2020年に開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で、2度延期されていた。
ちなみに夫妻は2020年、Netflixと複数年にわたってコンテンツを製作する契約を締結しているが、第一弾では、同財団のドキュメンタリー「Heart of Invictus」を製作する予定となっている。契約金は1億ドルとも言われている。
王室専門家が批判
一部の専門家から、夫婦の今回の女王訪問を不適切とする声が上がった。
伝記作家のトム・バウアー(Tom Bower)氏はMailOnlineの取材に、「すべてはネットフリックスのドキュメンタリーのために行われたことは間違いない」と主張。夫婦は「自分たちの信用性と金銭価値を高めるために、高齢で体が弱っている女王を利用している」とし、「女王のアドバイザーたちは、王室にとって最悪の中傷者たちに女王が悪用されることを防げなかった」と厳しく非難した。
メーガン妃は昨年、米国のインタビュー番組で、王室内で子供の肌の色を巡る人種差別的な発言があったと非難。さらに自殺を考えたことがあったなど、衝撃的な告白をして話題になった。
この一方、訪問を歓迎する意見も上がっている。
王室専門誌マジェスティ・マガジンの編集長、イングリッド・スワード氏は英紙SUNに「わだかまりを払拭して、和解を申し出る絶好の機会」と述べ、「ヘンリーとメーガンにはいろいろあったに違いない」と訪英に至るまでの心境を察した。面会のタイミングについて「聖木曜日は、許しに関するものであり、女王にとっては特別な日だ」と説明。女王は「両手を広げて、彼らを歓迎したと思う」と語った。