米国防総省は21日、ウクライナへの追加軍事支援として、最大で8億ドル(約1,000億円)相当の武器を新たに提供すると発表した。この中には、72台の榴弾砲や「フェニックス・ゴースト」(Phoenix Ghost)と名付けられた新型の無人航空機システム121台が含まれる。
バイデン政権は2月24日のロシア軍侵攻以来、合計34億ドル(約4,400億ドル)の安全保障支援を行っている。
フェニックス・ゴーストとは
フェニックス・ゴーストは、カリフォルニアのエアベックス・エアロスペース(Aevex Aerospace)が製造する無人機。
国防総省のジョン・カービー報道官は会見で、ロシアが完全掌握を狙うウクライナ東部のドンバス地区のような、平坦で広大な地形での攻撃に最適だと説明。名前の由来については不明だという。開発はロシア軍の侵攻以前から始まっていたと明かした。
性能などの詳細には触れなかったが、カメラが搭載されており、自爆型の攻撃用ドローン「スイッチブレード」(Switchblade)と類似していると述べた。
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スイッチブレードは米政府が先月、ウクライナに提供すると発表された新型の小型ドローンで、カメラやGPS、誘導システム、爆弾を搭載している。飛行速度は、トルコ製v無人戦闘機「バイラクタルTB2」より速いという。数キロ離れた標的に、自ら突っ込んで爆発することから、「カミカゼ・ドローン」などと呼ばれることもある。
カービー氏は「ウクライナの要請に応じて、ドンバスでの戦闘用に、今後も無人機の開発を進めていく」と語っている。