米航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙飛行センターは22日、ツイッターで「シャークネードはご存知じだろうが、今度はシャークケーノに備えよ」と投稿した。
シャークケーノ(Sharkcano)は、パプアニューギニアの東側、南太平洋ソロモン諸島沖に位置するカワチ海底火山のことで、火口内にサメが生息することから、このあだ名がついた。太平洋で最も活発な火山の一つだという。ちなみに「シャークネード」は、水上竜巻が海からサメたちを巻き上げながらロサンゼルスに上陸し、市民が暴風雨とサメの両方に襲われるという2013年のテレビ向けSFディザスターコメディ作品。
NASAのツイートには、地球観測衛星ランドサット9号によって撮影された噴火の様子を捉えた写真が添えられている。
NASA地球観測所によると、2015年に行われた観測旅行で、シュモクザメなど2種のサメやエイが水中火口内に生息していることが確認された。科学者らはこの時、硫黄で繁殖する微生物群も発見している。火口の海水は高温で酸性度が強く、粒子状物質や火山岩の破片、硫黄が含まれていることが過去の研究で判明しているが、サメのような大型の海洋生物が、これらの極限環境にいかに適応できたかについては解明されていないという。
米スミソニアン博物館の火山研究プログラム「Smithonial Global Volcanic Program」によると、カワチ海底火山は昨年10月に噴火段階に入っており、今年4月から5月の複数日にわたって、火山周辺に変色した海水を示す衛星データが得られた。
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なお、同火山は1939年に最初の噴火が記録されており、2007年、2014年にも大きな噴火活動が確認されているという。