クラウドファンディングでロシア兵士らのために調達されたという装備品の写真がツイッターに投稿され、話題になっている。
画像には、兵士やロシア軍の戦闘機やヘリコプターとともに、双眼鏡やマキタの工具セット、小型草刈機、オノ、ヘルメットなど、ホームセンターで購入できそうな品々が並べられている。別の写真にはDJIのドローン、八重洲無線のトランシーバー、さらに中国ブランドのフォークリフトを使って航空機に爆弾を運搬する様子も撮影されている。
これらがどのように調達されたものか、真偽のほどは定かではない。もしかしたら略奪品を自慢しているのかもしれない。軍事情報サイト「The Drive」は写真について「ロシアの飛行部隊に対するクラウドファンディングの支援物資が、誰かがホーム・デポ(米国のホームセンター店)を襲撃したよう」と紹介したほか、ネットユーザーからは「基本的な道具」の準備もままらないことに驚く声や、「世界2位の軍隊が、アマゾンからのラジオや工具をクラファンしている」「なんのために斧が必要なんだ?」「あのフォークリフトじゃ爆弾を砲塔に運べない。ぶらさっがていて、危険な振り子みたいじゃないか」など、さまざまなコメントが寄せられている。
ニューヨークタイムズは先月、兵士や病院のためにボランティアで資金や物資を募り、前線に届ける市民らの活動を紹介している。
あるモスクワの不動産業の女性は、侵攻が開始された2月以降、友人らと共に7回もウクライナ国境に車で出向き、じゃがいもや玉ねぎなどの食料、双方向ラジオ、双眼鏡、応急手当用品、歯科セットを届けた。これまでに調達した資金は6万ドルに上るという。
こうした活動は、主に女性主導でロシア全土に草の根的に広がっているという。
別の女性は、1,000マイル離れたウクライナ国境まで2度運転し、3トンにおよぶ物資を届けたといい、さらに先週、ロシアのSNS「VKontakte」の自分のアカウントに、包帯や麻酔薬、抗生物質、松葉杖、車椅子など必要品のリストを投稿し、寄付を呼びかけたという。
最も必要とされる装備品はドローンや暗視スコープなどで、大半がロシアのスポーツ店やオンラインで購入可能な輸入品だという。ロシア国内で著名なミリタリーブロガーは、中国のDJI社製の市販ドローンについて、戦闘作戦に組み込まれており、この製品なしの戦争は想像し難いと投稿しているという。
タイムズはこれらの活動について、プーチン大統領による戦争の取り組みに一定の支持があることを示す証拠であるとする一方、世界一の戦闘力を謳っていた自らの軍隊が、大型の紛争に際してひどく準備不足であったという認識が、国民の間に広がっていることを示すものだと指摘している。