トム・ハンクスは、今ではストレートの男性が、ゲイ役を演じることはできないだろうと、時代の変化を語った。映画『フィラデルフィア』(1993)でハンクスは、エイズに感染した同性愛者の弁護士役を演じ、主演男優賞を受賞した。
ニューヨークタイムズの記者から、公開時からの文化の変遷について質問されると、「現在ストレートの男性が、 『フィラデルフィア』で私が演じたことをできるだろうか?いや、できないだろう。それは、当然そうあるべきだ」と主張。続けて、同作品のテーマは「恐れないこと」だったとし、当時「人々が映画を恐れず見た理由の一つは、私がゲイの男性を演じていたからだ」と説明した。現在はその域を超えたと話し、「ストレートな男性がゲイの男性を演じるという虚偽を、みなが受け入れるとは思わない」と時代の変化を語った。ただ、観客がより信ぴょう性を求めるのは、「犯罪でもなければ、悲観すべきことではない」と話した。
同じく主演男優賞を受賞した『フォレストガンプ』(1994)に関しても、今なら劇場で公開される前に「ソーシャルメディアで揶揄され、こき下ろされるだろう」と語っている。
なお2018年に、スカーレット・ヨハンソンが新作映画「Rub & Tug」でトランスジェンダー役を演じると発表された後、LGBTコミュニティから非難が殺到した。ヨハンソンは主役を降板し、企画そのものがお蔵入りとなる出来事があった。
新作で悪役に挑戦
ハンクスは、今月24日から米国で公開されるバズ・ラーマン監督の伝記映画「エルヴィス」で、エルヴィス・プレスリーのマネージャー、トム・パーカー大佐を演じる。エルヴィスを搾取していたと言われるパーカーについて、彼は「悪者ではない。ただ言えることは、彼は誤っていたということだ」と説明。役柄について「悪意ではなく、モチベーションに興味を抱いている」と語った。