デトロイト発デンバー行きのサウスウエスト航空の機内で25日、乗客の男が、下半身の写真を周囲の乗客に送りつける事件があった。
この行為に気がついた搭乗客の1人、ローレンス・マーティンさんが男と乗務員のやりとりなどを撮影した動画をTiKTokに投稿し、話題になっている。
動画には「その男があそこの写真をエアドロップしている」とマーティンさんから説明を受けた客室乗務員が、青いTシャツを着たメガネの男に「なぜそれをしているのですか?」と質問する様子が撮影されている。男は悪びれる様子もなく「ちょっとした楽しみのため」と回答。ふてぶてしい態度に、マーティンさんが「これはセクハラよ。汚らわしい。暴行だ」と語気を強めると、男は「すまなかった」と神妙な面持ちで謝罪した。
この動画は反響をよび、現在900万回近く再生されている。
男が使用したのは、エアドロップと呼ばれる方法で、これを使うと、iPhoneやiPadといったアップル製品間で画像などのデータが簡単に共有できる。
しかし、これでも男は懲りなかったようだ。マーティンさんは翌日に投稿した動画で、男は謝罪した直後、手に持っていたiPadに目を戻したと説明。その画面には、女性が男にオーラルセックスをしている写真が映っていたと明かし、「彼は変態だと思う」とあきれたように語った。
飛行機がデンバー空港に到着すると、男は連れ出されたといい、マーティさんら複数人もFBIから事情を聞かれたという。
男の現在の状況について明らかにされていないが、サウスウエスト航空はメディアの取材に対し、事件を確認しているとした上で、客室乗務員がすぐに状況を報告し、クルーが地元の法執執行機関に通報したことで、逮捕に至ったと説明している。
わいせつ画像をエアドロップなどで一方的に送りつける迷惑行為は、「サイバーフラッシング」(cyberflashing)と呼ばれ、ニューヨークの地下鉄などの公共交通機関でも問題となっている。
銃や事故の写真がシェアされ、騒動に発展したこともある。昨年7月、サンフランシスコ空港を出発予定のユナイテッド航空で、10代の若者が玩具の銃の写真を投稿したことで、すでに搭乗していた乗客らが、避難する出来事があった。
5月には、ベングリオン国際空港を出発予定のイスラエル航空の機内で、乗客150人が飛行機墜落事故の写真を受け取り、フライトが延期されている。