テキサス州南部地区検事局は27日、覚醒剤を密輸しようとしてメキシコ国境で逮捕、有罪評決を受けた男に禁固3ヶ月と仮釈放3年の刑が下ったと発表した。犯罪を暴いたのは、わずかな異常も見逃さない国境警備隊員の鋭い勘だった。
刑が確定したのは台湾出身でテキサス州オースティン在住のイェン・ツン・フアン被告(30)。
発表によると、2020年7月4日、自動車の後部座席にいたフアン被告は、検問所に到着するや否やチーズバーガーを口にし始めた。警備隊員はこれを「疑わしい仕草」と感じた。警察犬も反応を示したことから、身体検査をしたところ、両方の太ももに縛りつけられたレンガ大の物体を発見。738グラムの覚醒剤を隠し持っていたことが発覚した。
裁判所に提出された資料によると、自動車が通過しようとしたのはファルフリアス検問所で、フアン被告を含む3人が乗っていた。「マクドナルドのビッグマックバーガー」のような箱をあけて、一口目を食べたフアン被告について、警備隊員は「もっとも近いマクドナルドが100km以上離れていることを考えると、検問所に着く瞬間になってはじめて口にするのは異常と考えた」と記されている。
当初は3人とも拘束されたが、フアン被告以外は犯罪に関与していないことが明らかにされた。運転手は、ルームメイトからフアン被告を迎えに行くよう頼まれただけだったという。
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なお台湾国籍のファン被告は、米国の永住権が剥奪され、刑期満了後は移民取締当局の拘束対象になるみられている。