トランプ前大統領が所有するニュージャージー州ベッドミンスターのゴルフ場「トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ」で今週、サウジアラビア政府の支援を受ける「LIVゴルフトーナメント」が開かれている。サウジの人権侵害や2001年の米同時多発テロへの関与の疑いから、開催中止を求める住民らが強く抗議しており、連日報道陣が押しかけているが、そうした中、使用が禁止されている米国大統領の公式の紋章が会場内の各所に使用されていることが分かり、物議をかもしている。
紋章は28日、ゴルフ場で撮られた写真に写りこんでいたことで発覚。タオルやゴルフカートを含む場内の様々なアイテムに使用されている様子が確認できるという。
大統領紋章の意図的な使用は禁止されており、連邦法には「米国政府のスポンサーまたは認可を受けていると誤認させる目的や、そのような印象を与えると計算された状況で」使用してはいけない、とある。違反した場合は罰金か6カ月以内の禁錮刑、もしくはその両方が科される可能性がある。
トランプ・ナショナル・ゴルフクラブでの大統領紋章の不正使用が発覚したのは今回が初めてではない。昨年7月、インスタグラムに投稿された同ゴルフ場の写真に大統領シールのついたゴルフティーマーカーが写りこんでいたことから、政府を監視する非営利団体「Citizens for Responsibility & Ethics」が司法省に訴えている。
当時の訴状では、さらに過去にさかのぼった事例にも触れ、非営利の独立系報道機関ProPublicaの2018年の記事を引用する形で、トランプ・オーガニゼーションは自社のゴルフ場のゴルフティーメーカーに使用するために「多くの」大統領マークを注文した、と言及。記事が出た翌日、トランプ・オーガニゼーションは、マークは一時的な使用で直ちに撤去したと声明を出しているが、訴状はこの点も挙げ、当時の段階で紋章使用の違法性を認識していた証拠としていた。
↓今年4月に投稿されたフロリダ州パームビーチのトランプ・インターナショナル・ゴルフクラブの画像