映画「Rust」の撮影現場で実弾入りの銃が誤って発射され、撮影監督が死亡した事故に関し、連邦捜査局(FBI)は調査報告書で、「銃は引き金を引かない限り、発射されることはない」と結論付けていたことがわかった。ABCニュースが独占で報じた。
事故が起きたのは昨年10月、ニューメキシコ州サンタフェの撮影現場で、俳優アレック・ボールドウィンがリハーサル中に放った銃に、誤って実弾が込められていた。銃弾を受けた撮影監督のハリーナ・ハッチンスさんが死亡したほか、ジョエル・ソーザ監督が肩を負傷した。
事故後、ボールドウィンはABCの番組で、銃の「引き金は引いていない」と繰り返し主張。ハンマー(撃鉄)を下げ、その指を離しただけと状況を説明し、暴発した可能性を示唆していた。
ABCニュースによると、ボールドウィンが使用していたのは、コルト社製の回転式拳銃「F.lli Pietta single-action revolver」で、FBIが実施した発射テストでは、「ハンマーが、クオーターコックとハーフコックの位置にある時、引き金を引くことなしに、発射することはできなかった」。
さらに「ハンマーがフルコックの位置にある場合(撃鉄を起こした状態)でも、内部の部品が完全かつ機能している場合、引き金を引くことなしに、発射することができなかった」と報告している。
一方、「薬室に装填された状態でハンマーを解除し、引き金を引くことなく直接打った場合は、(銃弾の)雷管だけを起爆することだけができた」と記されているという。TMZはこの場合、弾丸を発射することなく、発砲音を鳴らすことができると解説を加えている。ただしFBIが調査した銃に関して、ボールドウィンが使用したものか、別の銃かは不明だと伝えた。
なお、ボールドウィンは事故発生直後から、「コールドガン(実弾の入っていない銃)だと言われ、アシスタント・ディレクターから銃を手渡されたと主張している。
Foxニュースによると、事故の捜査を行っているサンタフェ保安官事務所は、今月2日にFBIの報告書を受け取っており、その後ニューメキシコ州の医学調査事務所へ送ったという。
またニューヨーク州サフォーク郡の警察も、ボールドウィンの携帯電話の通話記録の入手に関して、サンタフェ保安官事務所と共同で捜査を行っていると伝えている。