バイデン政権で今年5月まで大統領報道官を務めたジェン・サキ氏が25日、NBCの日曜朝の報道番組「Meet the Press」に出演。今年11月の中間選挙がバイデン大統領の信任を問う選挙となるならば、民主党は敗北する、と予測を示した。
サキ氏は報道官退任後、ニュース専門のケーブルチャンネルMSNBCに勤務している。25日の番組には政治コメンテーターとして出演し、中間選挙をめぐる見解を述べた。
サキ氏は、中間選挙の焦点が、民主共和両党のうち「より過激」なのはどちらか、という議論になった場合は、11月の本選で民主党にとって良い結果になる、と予想。極右の陰謀論者として過激な主張を繰り返すマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(共和党・ジョージア州選出)の名を挙げつつ、党全体で極論を唱える声が少ない点では、民主党に分があると語った。
一方で、「もし大統領に向けた信任投票だというなら、敗北する。それは当人たちも分かっている」と、バイデン大統領の支持率が伸び悩んでいる現状を示唆。「民主党にとって、治安問題は最も大きな弱点の一つ」と続けた。
サキ氏は、弱点を示す例として、ペンシルベニア州連邦上院議員選に言及。同選挙は、民主党のジョン・フェッターマン副知事と、共和党の指名を勝ち取ったセレブ心臓外科医の「ドクター・オズ」ことメフメット・オズ医師とが対決するが、共和党側はフェッターマン氏を犯罪撲滅に弱腰だと広告を打ち、攻撃を展開している。
「興味深いのは、いつもお金に注目が集まること。何に資金を費やしているのかが注目される」とサキ氏は指摘し、「ペンシルベニア州の場合、共和党はフェッターマン氏の攻撃材料として、治安問題に関するテレビ広告に何百万ドルも費やしている。それが弱点だと見ているから」と述べた。
ただ、全体的にはインフレ懸念などをめぐる経済対策が最大の争点であることも認め、「州ごとに要因を見ていく必要がある」とも語った。
バイデン大統領の支持率は最近、複数の世論調査でかろうじて40%台半ばに持ち直す傾向があるが、ワシントン・ポスト紙とABCニュースによる25日発表の調査結果では39% という結果が出ている。さらに同調査では、2024年大統領選について、民主党または民主党よりの無党派層の過半数(56%)が、バイデン氏以外の候補者を望むと答えた。
現在の下院の議席の配分は、民主党が221議席、共和党が212議席。共和党が6議席純増となると、過半数支配が逆転する。クックポリティカルレポートは11月の中間選挙について、民主党の29議席が五分五分または共和党に傾いていると、現時点の分析を示している。