民主党の上院トップ、チャック・シューマー議員は、飛行機の座席に不満を抱えている市民は、連邦航空局(FAA)にコメントを寄せるよう呼びかけている。
FAAでは現在、議会の命令に基づいて「乗客の安全に必要な座席の最小サイズ」について、広く意見を募集している。募集期間は11月1日までで、新たに基準を設けるべきか検討するためとしている。座席幅や前後間隔などについて、具体的に意見を求めている。
シューマー議員は、乗客が抱える1番の不満は座席の狭さだと主張。自分自身、少しでもスペースを確保するため、搭乗時にはシートポケットの雑誌類を取り出しているほどだと明かした。1インチでさえ「重要問題」だと強調し、航空会社の乗客の詰め込みは「人々を旅行者ではなくイワシになった気分にさせる」と不満を示した。
2018年、議会では、座席サイズが航空機の安全性に与える影響に関して、FAAに調査を義務付ける法案が成立した。意見募集はこの一環。
法案を働きかけた乗客の養護団体「FlyersRights.org」のポール・ハドソン代表は、USA Todayの取材に「一部の航空会社が座席を縮小しているが、人々は大きくなり続けている」と指摘。「座席に適度に収まるのは、人口の20%に過ぎない」と独自の推計を示した上で、「快適さや緊急非難のレベルを超えて、健康と安全に重大な問題を与えている」と主張した。
プラスサイズの女性旅行者のフェイスブックグループ「Fat Female Traveling」を運営するアネット・リッチモンドさんは「不快ではなく、痛みだ。(アームレストが)骨を直接圧迫する」と不満を訴えた。さらに、シートベルトの長さにも基準がなく、エクステンダーが必要かどうか予測ができないと問題を指摘した。
ちなみに現在のサウスウエストのボーイング737の前後間隔は、31インチ(79cm)~33インチ(84cm)で、アメリカン航空の737とA320は30インチ(76cm)~32インチ(81cm)程度だという。
シューマー議員は、航空会社を特定していないが、1970年に規制が撤廃されるまで35インチ(89cm)だったが、31インチ(79cm)になり、座席幅は1990年代の18.5インチ(47cm)から、今世紀は17インチ(43cm)に縮小したと主張している。
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