中間選挙を1週間後に控え、民主党の政治コンサルタント、ダグラス・E ・スコーエン氏は31日、共和党の「レッドウェーブがつツナミとなる」可能性について、政治サイトThe Hillにオピニオンを掲載した。
最近の世論調査の結果について、国民の関心ごとは、共和党が先導する経済と犯罪に集まる一方で、民主党が最重要としている中絶の権利については「あまり顕著な問題ではなくなってきている」と説明。共和党の支持が高まり、「民主党への警告サインが明白に点灯している」と述べた。
共和党は、下院で30から35議席を獲得するほか、上院では1議席から2議席を上回り、上下両院で多数派を占める可能性があると予測。しかしながら、 クリントン政権の1994年(53議席減)や、オバマ政権の2010年(63議席減) の選挙ほど、議席を失うことにはならないだろうと予想した。
下院に関して、RealClearPoliticsが「トスアップ」(五分五分)と評価している37議席に関して、共和党が「大部分」を獲得する可能性が高いとした。なおトスアップと、共和党寄りの議席を全て確保した場合、共和党が50席純増し、最大で262議席となる。
また最近エマーソンが発表した「Likely voters」(実際に投票する可能性が高い集団、登録有権者を対象とした調査よりも、より正確とされる)を対象とした世論調査では、共和党が5ポイントリードしていることから、当日は、共和党の投票率や選挙結果が予想を上回ることになるだろうと述べた。
上院で勝敗の行方を左右するとみられている接戦州に関しては、民主党は、ペンシルベニア州やノースカロライナ州の共和党の議席を奪うことができないばかりか、アリゾナ州やジョージア州、ネバダ州を守ることもできない可能性があると述べた。
さらに上院以外では、ニューヨーク州やロードアイランド州、オレゴン州など、民主党が支配してきた「ディープ・ブルー」の地域も議席を失う危機にさらされていると指摘した。
ニューヨーク州の知事選では、トランプ氏の盟友、リー・ゼルディン下院議員が治安改善や経済対策を訴え、支持率を急激に伸ばしている。クイニピアックの最新の世論調査では、現職のキャシー・ホークル知事との差は4%まで縮小した。
スコーエン氏は現時点の予想として、共和党は下院のトスアップで「不均衡なシェア」を獲得し、上院で過半数を獲得。民主党の牙城でも議席を増やし、レッド・ウェーブが到来する兆候があると締め括った。