9月にオープンアクセスジャーナル「泌尿器科の症例報告(Urology Case Reports)」に掲載された論文で、日本の医療チームが、79歳の男性の膀胱から縄跳びを取り除いたケースを報告した。縄跳びの長さは230cmだったという。
獨協医科大学の医師らの報告によると、男性は、排尿障害を起こし病院を受診した。これまで泌尿器科や精神科の病歴はなく、検査でも下腹部の膨張や「尿閉」は確認されなかったという。
超音波検査を実施すると、膀胱内に「音響陰影」を伴う大きな物体が充満していることが判明。さらにX線撮影で、コイル状のワイヤーのような異物が確認された。
男性は、尿道にビニール縄跳びを挿入したことを認めたという。
膀胱鏡検査では「膀胱が異物で満たされていたため、縄跳びの端を発見することができなかった」という。
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医師らはその後、CT撮影によって、膀胱内で複雑に絡み合った縄跳びの3次元イメージを再現。「経尿道的摘出」は困難と判断し、膀胱切開術によって、縄跳びを完全に取り除くことに成功した。
![](https://www.mashupreporter.com/wp-content/uploads/2022/11/Science-Direct2-1.jpg)
掲載された画像からは、持ち手がなく、複雑に絡まった黄色の縄跳びが摘出されたことが確認できる。
術後の経過は、合併症もなく順調だったという。
医師らは、X撮影によりほとんどの膀胱内異物の検出が可能だとする一方で、3次元画像診断は、サイズや形状を把握し、手術計画に有効だと結論を述べている。
膀胱内異物の症例はまれであるものの、文献に報告されるケースが増加しているという。
昨年11月、USBケーブルを「性的好奇心」で尿道に挿入し、抜けなくなったイギリスの少年の症例が報告されている。