映画批評家が「アバター」を”文化の盗用”と主張したことについて、ネットでは反発の声が上がっている。
バズフィードやフィラデルフィアトリビューンのコントリビューター、カティア・ウッズ(Kathia Woods)氏は18日、自身のツイッターで「アバターに関する文化の盗用ついて、話をしなければならない」と切り出した。続けて、サム・ワーシントン(ジェイク・サリー役)やシガニー・ウィーバー(キリ役)などの「白人が有色人種を演じている」と主張した上で、「ただ厄介なだけ。大量の視覚効果やCGIを使っても、それらを消し去ることはできない。悪しきレースフロント(ウィッグ)と作り物のブレード(三つ編み)。何てことだ、それを改めなさい」と批判を投稿した。
ジェームズ・キャメロン監督の「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」は、米国で16日より公開がスタート。週末の興行収入は、専門家の予想を下回ったものの、1億3,400万ドルを記録し、初登場第1位となった。
デイリーメールによると、ウッズ氏の主張に対し、「これはただのSF映画だ」といった批判や、「ジェームズ・キャメロンは青い先住民を見つけようとさえしなかった」「3メートルの青いエイリアンを演じることができるのは、3メートルの青いエイリアンだけ」と皮肉る声が寄せられたという。
ちなみに母ネイティリ役は、アフロ・ラティーナのゾーイ・サルダナが演じた。マオリの俳優クリフ・カーティスなどもキャスティングされていることから、ウッズ氏の主張は見当違いだと指摘するユーザーや、「彼女のようなウォークネスが、映画産業を台無しにしている」といった意見も投稿されている。
ウッズ氏のツイートは現在、非公開となっている。Foxニュースによると、ウッズ氏は19日、自身の発言が「右派の一部を怒らせたみたいね」とコメントしていた。
なお、NBCニュースの文化批評家ノア・バーラトスキー氏は論説で、2009年公開の「アバター」は「白人の救世主に関するお決まりのストーリー」だと説明した上、新作は良くも悪くもオリジナルの「強さと落ち度」を再現していると指摘。「見事な光景や、環境に関するテーマ、使い古された植民地の物語」であり、オリジナルに「懐疑的だった人」は、続編にも納得しないだろうと語っている。