25日、ロシア陸軍の元総司令官、アレクセイ・マスロフ氏がモスクワの軍事病院で急死した。同氏が晩年務めていたロシアの軍需企業で世界最大の戦車メーカー、ウラルヴァゴンザヴォード社が声明で伝えた。
同社は25日、テレグラムに「経営陣は、ニコライ・ブルデンコ氏にちなんで命名された軍事病院で、本日の午前8時20分 アレクセイ・フョードロビチ・マスロフ氏が70歳の誕生日に死去したことを深い悲しみとともに報告する。彼の人生の70年目に、アレクセイ・フョードロビチ・マスロフ氏は急逝した」と発表。「ウラルヴァゴンザヴォードの軍事および技術協力の特別代表であった晩年、アレクセイ・フョードロビチ氏は最後の日まで祖国と大義に忠実であり続け、ウラルヴァゴンザヴォードの発展と活動への彼の貢献は計り知れない」と死を悼んだ。
ロシアメディア「RBC」によると、マスロフ氏は1953年9月23日にロシア西部のクルツク州パンスキー村で生まれ、1970年にロシア陸軍に入隊した。1974年にハリコフ高等戦車指揮学校、1984年に装甲兵学校、1998年に参謀本部陸軍士官学校を卒業。小隊長からさまざまな役職を歴任し、2004年から2008年にかけて陸軍総司令官を務めた。その後は北大西洋条約機構(NATO)に対するロシア軍側の代表を務め、2011年10月に軍を退任した。
マスロフ氏の死の2日前、プーチン大統領が、ニジル・タギルにあるウラルヴァゴンザヴォード社工場の訪問計画を急遽取りやめたと報じられていた。ウクライナのメディア「New Voice of Ukraine」が現地の報道をもとに伝えたところでは、訪問準備は周到に進められ、市内で初の除雪が行われたほか、交通規制が敷かれていた。プーチン氏は工場の各部署を視察する予定だった。
24日には、ロシアの軍用潜水艦を製造するアドミラルティ造船所のアレクサンダー・ブザコフ所長が67歳で急死している。ブザコフ氏は死去前日に新型潜水艦の進水式に参加したばかりだった。
両名とも、死因は明らかにされていない。