プーチン露大統領の元スピーチライターは、ロシアで来年、軍事クーデターが現実に起きる可能性があると主張している。
スピーチライターから政治アナリストとなり、現在亡命先のイスラエルで暮らすアッバス・ガリヤモフ氏は、CNNの取材に「ロシア経済は悪化している。戦争にも負けている」とした上で、「もっと死体がロシアに帰ってきて、国民が苦難を経験するようになれば、なぜこうなっているのか説明を探すだろう」と指摘。そうなれば「政治プロセスを見渡して、”年老いた暴君、年老いた独裁者が国を統治しているからだ”と自ら答えをだすだろう」と語った。
政変の瞬間は1年後に訪れるかもしれないと予想。「一年後、政治状況が変わり、不人気で嫌われ者の大統領が国のトップにいて、戦争も不人気で、そのために血を流さなければならない」状況であれば、「その瞬間、クーデターは現実に起こりうる」と主張した。
ガリヤモフ氏はさらに、プーチン氏が来年3月の大統領選挙を中止する可能性にも言及。「ウクライナに勝たなければ、ロシア国民との困難に直面する。彼が強くないのならば、ロシア人は彼を必要としない」と述べ、「彼なら本当に戒厳令を宣言して、選挙をキャンセルするかもしれない」と語った。
なおガリヤモフ氏は先月、ウクライナ侵攻に失敗し権力を失った場合に備えて、プーチン氏をロシアから脱出させる計画が練られていると主張していた。
「非常に信頼している情報筋」から得た情報だといい、それによると計画は「ノアの箱舟」というコードネームで呼ばれ、有力候補地に南米のアルゼンチンとベネズエラが挙げられている。ベネズエラについては、ロシアの石油大手ロスネフチのCEOで、マドゥロ大統領とも個人的つながりのあるイーゴリ・セーチン氏が関わっており、すでに同氏の右腕とされる人物が、組織を離れ、現地の調整に直接携わっているという。