ヘイリー氏 大統領選参戦も見えないトランプ対策

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先週、米大統領選の出馬を表明した共和党のニッキー・ヘイリー氏が、FOXニュースのインタビュー番組にリモート出演。目下の対戦相手となるトランプ前大統領とどう戦うかを質問され、かわす場面があった。

19日放送の報道番組「FOXニュース・サンデー」で、司会者からトランプ氏との違いを聞かれたヘイリー氏は「トランプ前大統領には焦点を当てていない」と回答。「メディアがその点にこれほど言及したがるのは驚きですが、私が相手にしているのは、ジョー・バイデン大統領です」と語り、トランプ氏に関する言及は避けた。

ヘイリー氏には、サウスカロライナ州知事を務めた後にトランプ政権で国連大使を2年間務めた経緯がある。

さらに、先週地元サウスカロライナ州とニューハンプシャー州で行った集会では、「誰一人としてトランプ氏について聞いてくる人はいなかった」とし、「みんなバイデン氏について話したがっていた」と強調した。

また「なぜあなたなのか」と、大統領選に出馬した理由を聞かれると「なぜ私ではないのか」と返答。「退役軍事の妻であり、二人の母親で、一人は結婚を控えていて、家を買うことがどんなに大変かよくわかっている…」と続けたものの、明確な答えを持ち合わせていない印象を与えた。

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実際の選挙戦では、バイデン氏と戦う前にまず党の指名を勝ち取る必要がある。共和党では正式に出馬表明した候補者は現段階でトランプ氏とヘイリー氏だけで、ヘイリー氏は必然的に指名争いの過程でトランプ氏と対峙することになる。

トランプ氏について直接は語らなかったものの、ヘイリー氏は、共和党には「新たなエネルギーの流入が必要。過去にとらわれた現状を脱却し、先を見据えなければなりません」と、世代交代の必要性を訴えた。

ヘイリー氏は2021年4月の時点で「もしトランプ氏が大統領選に出馬するなら、私は出馬しない」と明言しており、いずれトランプ氏本人と話すとしていた。

一方トランプ氏は、候補者は「多い方が楽しい」とヘイリー氏の参戦を歓迎しており、先週のFOXニュースのインタビューで、「彼女が出馬するのは嬉しい」と語った。ただ、「彼女には自分の心に従ってほしい。以前、彼女が生涯最高の大統領と呼ぶ人物に対抗して出馬することはないと決意していたようだが」と、牽制することも忘れなかった。