米国では、トランスジェンダーのパワーリフティング選手の女性種目への出場が認められることになる。
先月27日、ミネソタ州裁判所は、出場の禁止は州人権法に反するとして米国パワーリフティング協会を訴えたトランスジェンダーの選手、ジェイシー・クーパー氏の主張を支持。14日以内に方針を改定するよう命じた。
CBSニュースによると、判事は「害は、自分と異なるもののふりをさせることであり、自分がそれよりも劣っているという暗黙のメッセージである」と判決文に記載。さらに、協会側が主張する「公平性」について、協会が示した競争的優位との証拠は、「うつ病や自殺のリスクの増加、コーチングや練習施設へのアクセスの欠如」などといったトランスジェンダー選手が直面する「競争上の不利を考慮に入れていない」とした。
クーパー氏は、女性種目への出場を禁止されたことを受け、2019年にミネソタ州人権局に不服を申し立てた。その後、2021年に米国パワーリフティング協会に対する訴えを起こした。
一方、女子選手の中には、トランスジェンダー選手の競技参加に反対する声も上がっている。
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カナダのエイプリル・ハッチンソン選手は8日、FOXニュースのタッカー・カールソン氏のインタビューに応じ、「私たちは激怒している。怒っている。傷つけられた」と気持ちを吐露。自身は反対の声を上げ、眠れない日々を過ごしたこともあるとした上で、「スポーツ界の女性のために立ち上がってくれてありがとう」といった感謝のメールを毎日のように受け取っていると明かした。さらに、多くの女性が、非難や協会からの除名を恐れて声を上げられないでいるとしつつ、実際には反対が膨れ上がっており、「支持の量は圧倒的だ」と語った。