ベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」で知られる投資家で起業家のロバート・キヨサキ氏は、シリコンバレー銀行の次にトラブルに陥る銀行について、新たな予想を示した。
シリコンバレー銀行は、顧客の預金流出の動きが強まるなか、8日に金利上昇により含み損が膨らんだ長期国債を売却し損失を計上すると発表した後、新たな資金調達にも失敗。10日に金融規制当局により閉鎖され、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれた。
2008年に投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻を予測したキヨサキ氏は、13日のFOXビジネスのインタビューで「問題は債券市場だ。数年前にリーマンブラザーズを名指しした私の予想では、次に行くのはクレディスイスだと思う。債券市場が暴落しているからだ」と主張した。
ドル札を手にしながら「米ドルは世界で覇権を失いつつある。だから彼らはお金をもっと刷って、沈まないようにしようとしているんだ」と語ったほか、「債券と同様に心配しているのは、年金がトラブルに陥いることだ。私の世代であるブーマー世代がリタイアしようとしている。だからこれは、色々な意味で完全な嵐なんだ」と話した。
キヨサキ氏の予想の数時間後、スイスの金融大手クレディスイスは、2021年と2022年の財務報告の手続きに「重大な弱点」が発見されたと明らかにした。
CNBCによると、同行は14日に公表した年次報告書で、2021年と2022年の「財務報告に係る内部統制に重大な弱点」を特定したと説明。問題は「虚偽報告のリスクを特定、分析するための効果的なリスク評価プロセスを設計、維持できていないこと」および、内部統制とコミュニケーションの欠陥に関するものだとした。
今週月曜日には、暗号通貨の扱いで広く利用されていたニューヨークのシグネチャ銀行が閉鎖され、シリコンバレー同様にFDICの管理に置かれた。