アメリカの子供達の間で「Fidget Spinner(フィジェット・スピナー)」という手遊び用のおもちゃが大流行している。大きさは10cmほどの小さなもので、3枚のプロペラのような形をしており、中心にはボールベアリングが埋め込まれている。これを指の上で回して楽しむといった単純なおもちゃだが、とにかく人気で、5月7日時点で、アマゾンのおもちゃ部門のベストセラー20位に18アイテムがランクインしている。
古くて新しいおもちゃ
フィジェットスピナーの生みの親、フロリダ在住の Catherine Hettinger(キャサリン・ヘッティンガー)がThe Guardian紙に語ったところによると、原型を思いついたのは1993年の夏頃だという。この時期、筋無力症と免疫障害に苦しんでいたキャサリンさんは、7歳の娘と遊んでやることができなかった。そこで、新聞紙などを寄せ集めてテープでくっつけたおもちゃをつくった。これが、プロトタイプと言えるほどではないが、どこか似た形をしていたという。その後、試行錯誤の上にアイデアを製品化。フロリダの展示会などに出品し、数千個単位で販売することに成功したという。1997年には特許を取得したが、残念ながら、2005年に特許の更新費用$400が払えず、特許を放棄。現在は、様々なメーカーが製造・販売している。
遊び方は簡単
片手で持って回したり、机の上に置いて回すのが基本で、さらに、2つのスピナーを重ねて回したり、ベアリング部分に鉛筆を通して駒のようにして回したりすることも可能。様々な遊び方がYoutubeに数多く紹介されている。
ヒットの理由は?
フィジェット・スピナーは、ADHD(注意欠陥多動性障害)の子供の集中を高めたり、気分を落ち着かせ、心配をやわらげたりする目的で、セラピーなどで使用されてきたという。しかしながら、それがなぜ突然のブームとなったか不明だ。
Googleトレンドでは、Fidget Spinnerの検索は1月から現れ始め、4月に急上昇。アメリカ、イギリス、オーストラリアを中心にトレンドになっている。
過去5年の検索推移を表すグラフ。2017年4月から検索数が急激に上昇
国別順位 1.アメリカ 2.イギリス 3.アイルランド 4.オーストラリア
禁止する学校も
集中や落ち着きをもたらす効果があるといわれるフィジェット・スピナーだが、ブームが広がるにつれ、教育現場では問題視する声もあがっている。
ブルックリンにある中学校では、授業の邪魔になり、怪我につながる危険があるという理由で、学校への持ち込みを禁止した。(発達障害などで必要とする生徒は例外としている。)また、地元メディアDna Infoによると、クイーンズのアストリアや、ブロンクスのパクチェスターにある小学校でも、学校への持ち込みを禁止しているという。
どこで買える?
アマゾン、eBayやEtsyでは豊富な種類から選ぶことができる。Amazon.comではFidget Spinnerで検索をすると、なんと37,000件以上の商品が表示される。また、ニューヨークでは、露店やキオスクなどでも購入することができる。数ヶ月前から販売を始めたという、ウォール街近くのキオスクでは、シンプルなデザインのもので5ドル。光る仕掛けなど、工夫が施されているものは10ドルで販売している。
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