フロリダ州タラハシーにある学校で、小学6年生の美術の授業でミケランジェロのダビデ像を見せたことに保護者からクレームが寄せられた後、校長が辞任に追い込まれた。
辞任したのは、タラハシー・クラシカル・スクールのホープ・カラスキヤ校長。就任からわずか一年だった。20日に開かれた緊急会合で、教育委員会の委員長から辞めるか解雇されるかの選択を迫られたという。
FOXニュースが地元メディアの報道をもとに伝えたところによると、委員長は辞職の理由を明かしていないが、カラスキヤ校長は、「ダビデ像」の授業が原因だと考えている。
ヌードの「ダビデ像」を扱った授業の後、3人の保護者から、子供が動揺したと苦情があった。このうち2人は「事前に知らせてほしかった」と訴え、1人は授業を「ポルノ」と非難したという。
同校の規則では、カリキュラムが「物議をかもす」可能性がある場合、2週間前までに保護者に知らせ、教材を審査する時間を与えることを義務付けている。
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カラスキヤ校長は、保護者に通知を送るべきだったと非を認める一方、コミュニケーションに問題が生じ、適切な通知がなされなかったと述べているという。
「ダビデ像」は、1501年から1504年の3年の歳月を経て完成した彫刻作品で、フィレンツェのアカデミア美術館に収蔵されている。ミケランジェロの代表的な作品で、ピエタとならび、ルネサンス美術の最高傑作とされる。実物代のレプリカが、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館に設置されている。