SNS上で自らが逮捕されると宣言したトランプ前大統領が一転。今度は検察側が起訴案件を取り下げたと新たな主張を展開した。
トランプ氏については、2016年の大統領選終盤に、かつて不倫関係にあったと主張するポルノ女優ストーミー・ダニエルズ氏に支払われた口止め料をめぐり、ニューヨーク州マンハッタン地区検察が捜査を進めている。近く大陪審がトランプ氏を起訴するか最終判断を下すと注目されているが、Axiosによると、トランプ氏は先週末テキサス州ウェーコで行った選挙集会の後、すでに事件が取り下げられているとの考えを示した。
ウェーコから専用機に乗り込む直前、トランプ氏は記者団に対し「すでに彼らは取り下げたと私は思う。これはフェイク案件だ。フェイク案件に対しては、彼らは確実に何もできない」と主張した。
一方、SNSでは未だに捜査批判も展開している。26日、自身が立ち上げたSNSアプリ「トゥルース・ソーシャル」上でトランプ氏は、「彼らに勝ち目はない」と主張。かつての腹心で、後に口止め料支払いに直接関与したことを認めたマイケル・コーエン氏を「向こうの『スター』証人とやらは大嘘つきで犯罪者で刑務所上がりの弁護士だが」と罵倒し、トランプ氏側の証人の見解と全く食い違っていると指摘した。さらに「私が悪事を働いていないのを彼らも分かっている。この件や、他に司法省が率いる魔女狩りのすべては選挙の妨害工作だ。彼らの新たな『大変に洗練された』選挙不正行為だ!」と、捜査は自分を大統領選落選に追い込むための作戦だとも主張した。
大陪審は継続中
ニューヨーク・ポスト紙によると、捜査を率いるアルビン・ブラッグ検事(民主党)の報道官はトランプ氏の起訴取り下げ発言について直接コメントはしなかった。ただ、25日に広報が出した別の声明では口止め料問題の捜査を『継続中の案件』としていることにも触れた。
捜査に関するトランプ氏は予想をすでに1つ外している。トランプ氏は今月18日の投稿で「火曜日(21日)に逮捕される」と主張し大々的に報じられたが、当日だけでなくその週を通して検察側に動きはなかった。
27日、検察は大陪審を再招集し、口止め料の取引に関与したとされる証人の一人、タブロイド紙「ナショナル・インクワイアラー」発行元企業のデビッド・ペッカー会長に対する聞き取りを行った。