オードリー・ヘップバーン主演の名作「ティファニーで朝食を」(Breakfast at Tiffany’s)。ニューヨークのマンハッタンを舞台に、富裕層の男性との結婚を夢見る奔放な女性ホリー・ゴライトリーが、真の愛に目覚める物語。トルーマン・カポーティの同名小説を元に製作されました。
映画には、5番街のティファニー旗艦店をはじめ、ホリーが住むアッパーウエストのアパートメント、セントラルパーク、公共図書館などが登場します。歩くだけで、ヘンリー・マンシーニ作曲の「ムーン・リバー」が聞こえてきそうな、ロマンチックなロケ地をご紹介します。
ティファニー旗艦店
「ここには不幸なんか存在しない」、気持ちが”レッド”に陥った時に訪れるというホリーのお気に入りの場所。ホリーと若手作家のポール(ジョージ・ペパード)は、10ドル以内で購入できるギフトを探しに訪れますが、店員から提案されたのは、「ステアリングシルバー製の電話のダイヤル回し(税込6ドル75セント)」。ポールは、スナックの景品に入っていたおもちゃの指輪に名入れサービスを依頼します。
ちなみに、ティファニー初のカフェ「ザ・ブルー・ボックス・カフェ」は2017年にオープンしました。店内は、ティファニーブルーの家具で装飾され、朝食メニューには、ホリーがウィンドウを見つめながら食べていたクロワッサンも提供されていました。現在は改装中のため閉まっていますが、再開が待ちきれません。
住所:727 5th Ave, New York, NY 10022
ホリーのアパートメント
ホリーが”名無しのネコちゃん”と住むのは、アッパーイーストサイドにあるブラウンストーンビルディング。現在も映画と同じグリーンの扉が付いています。建物は2105年に、740万ドルで売却されました。不動産会社ZIllowによると、4ベッドと5バスルーム付きのタウンハウスの現在の不動産価値は、780万ドル以上に上昇しており、家賃は月2万8,000ドル以上だそうです。ちなみに、2012年に売却時には600万ドルでした。マンハッタンの物件の上昇率が、いかに速いかが分かります。
住所:169 E 71st St, New York, NY 10021
セントラルパーク
ポールは、アパートから3ブロック西にあるセントラルパークで、ホリーの獣医の夫から、”ルラメー”(ホリーの本名)の過去について明かされます。場所は、72ストリートにある「コンサバトリー ウォーター」と「バンドシェル」。
ニューヨーク公共図書館
全米第2位の蔵書数を誇る図書館で、約90の分館やリサーチセンターなどから成るニューヨーク市のパブリック・ライブラリーシステムの一つ。公的資金と寄付によって運営されています。
▼「ローズ・メイン・リーディングルーム」の天井には、美しい絵画が描かれ、まるで美術館のような厳かな佇まい。
ホリーは、図書館の中で「親近感が増すわよ」と、ポールの著書にサインをするよう促しますが、職員から「公共の財産だから、やめなさい」とたしなめられます。融通のきかない職員に対し、ホリーは「ティファニーを見習って」と言い放ち、図書館を後にします。
さまざまな映画のロケ地として使用されており、「ゴーストバスターズ」(1984)や、「デイ・アフター・トゥモロー」(2004)、「セックス・アンド・ザ・シティ」(2008)などに登場します。2017年には米国で、フレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」も公開されました。
住所:Fifth Avenue and 42nd Street New York, NY 10018
シーグラムビルディング
ホセと共にブラジルに渡ることとなったホリー。出発前夜にポールと「お別れのディナー」に出かけます。レストランに行く前に立ち寄った場所は、ミッドタウンにあるシーグラム・ビルディング(Seagram Building)。
モダニズムを代表するドイツの建築家、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが設計したニューヨークを代表する超高層ビルの一つ。パークアベニューに1958年に完成し、アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されています。
住所:375 Park Ave, New York, NY 10152