先月、AI(人工知能)開発の会社「X.AI」を立ち上げたマスク氏は17日から18日にかけて放送されたFOXニュースの番組で、看板キャスターのタッカー・カールソン氏と対談。AIの発達は「文明を破壊する」可能性があるとし、監督・規制を担う新たな政府機関の設置が必要との考えを示した。
マスク氏は、AIの知性が人類を超える技術的特異点は、「ブラックホールと同じくその後何が起きるかわからない」と説明。公衆に危険を及ぼす可能性があると述べ、食品医薬品局や連邦航空局のような「政府によるなんらかの監督があるべき」と語った。
ただし、問題発生後に規制が設けられる他の分野と異なり、「AIの場合、その時点で規制をかけるには遅すぎるかもしれない」とも指摘。「AIは、誤った航空機の設計や生産のメンテナンス、悪い車の生産よりも危険だ」と述べ、「ターミネーターのように文明を破壊する可能性がある」と語った。
X.AIについて、「確かにスタートが遅かった」と、OpenAIのChatGPTやグーグルのBardに遅れをとったことを認めつつ、「第三の選択肢を作ろうとしている」と説明した。
ChatGPTに関しては、現時点で良いものか判断できないとする一方で、「政治的に正しいように訓練されているという事実が心配だ」と主張。「AIディストピアへの道は、AIを欺くように訓練することだ」と加えた。
政府によるツイッターの検閲
インタビューではこのほかに、米政府が持つツイッターのアクセス権限の大きさに言及した。
マスク氏は、「政府機関はツイッターのすべての内容に無制限にアクセスが可能」と説明。「その権限の大きさには衝撃を受けた。そんなことは全く知らなかった」と明かした。
カールソン氏が、政府のアクセス権限にはユーザー個人のダイレクトメッセージも含まれるかと質問すると、「イエス」と短く答えた。