デパートレイプ疑惑訴訟、トランプ氏 原告女性と元妻を混同してしまう

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先月から審理がスタートした、ニューヨークの高級百貨店で性的暴行を受けたと主張する女性との裁判で、トランプ氏の証言録取のビデオが公開された。自分の好みのタイプではないからありえないと繰り返し疑惑を否定してきたトランプ氏だが、ビデオの中で、告発女性の昔の写真を見て、自身の元妻と勘違いする場面があった。

原告のジーン・キャロル氏(79)は2019年に発表した著書で、1990年代半ばにトランプタワーの斜め前にあるデパート「バーグドルフ・グッドマン」の試着室で、トランプ氏から性的暴行を受けたと告発。これに対しトランプ氏がキャロル氏を嘘つき呼ばわりしたため、名誉棄損でトランプ氏を提訴した。昨年11月には、当初の名誉毀損に加え、性的暴行に対する賠償請求を求める訴えを追加した。

証言録取は昨年10月、審理に入る前の手続きとして、原告の弁護士ロベルタ・カプラン氏がトランプ氏に対して行ったもので、公開された映像には、約1時間にわたってトランプ氏が質問に答える様子が撮影されている。

告発をめぐる過去の言動を一つ一つ確かめるカプラン氏に、トランプ氏は繰り返し疑惑を否定。「もしそんなことが起きていたら数分以内に報道されていただろう。(中略)混雑する大型デパートの中でも主要な階だ。最も馬鹿げていて、嫌悪感をもよおす話だ。でっち上げだ」と主張した。

原告とは会ったこともないと主張したことに反して、キャロル氏夫妻と一緒に写る写真が存在することについては、セレブのイベントに出席した際に、握手を求める列にいたのだろうと説明した。

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1987年に撮られたとされる写真を改めて提示されると、「彼女の夫でNBCのアンカーだったジョン・ジョンソンだと思う。いい奴だと思う」と述べる一方、「女性の方は知りもしない。そうだな、わからないがマーラじゃないか」と、1993年から1999年まで婚姻関係にあった2番目の妻マーラ・メイプルズ氏の名前を口にした。

ただし、トランプ氏が指したのは当時40代だったキャロル氏本人だった。写真を指差して「そうだマーラだ。わたしの妻だ」と繰り返すトランプ氏に、カプラン氏が「実際、今指摘されたのは、E・ジェン・キャロルさんです」と突っ込む場面もあった。

トランプ氏は告発を受けた2019年当時、The Hillのインタビューで「恐縮ながら、まず第一に、彼女は私のタイプではない。第2にそんなことは決してなかった」と、疑惑を否定した。今回の証言録取でも、弁護士から、現在もその考えに変わりがないかと聞かれると、「そうだ」と即答した。

トランプ氏は、別の場面でも「私は、まだこの女性を知らない」と主張を貫き、「変人だと思う」「精神的に病んでいると思う」と話した。

弁護士にも攻撃

終始淡々と答えたトランプ氏だが、カプラン氏への攻撃も忘れなかった。

「君も嘘だとわかっているはずだ。君は政治的な回し者で、恥ずべきだ」と、正面から非難。キャロル氏をタイプではないと言ったのは「100%」の本音だと述べつつ、「正直にいうと、君は私の第一選択肢に入らないだろう。侮辱だと感じないで欲しいが、どんな状況でも君には興味を抱かない。これは本音だ」と、キャロル氏と並んでカプラン氏も好みではないと語った。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。