中国系コミュニティーのリーダーが主催した、イーロン・マスクの出演を謳ったイベントで、実際に登場したのが偽物だったとして非難の声が上がっている。
サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、主催者はニューヨーク市フラッシングにある非営利団体「中米商業協会」の代表、Gary Kong氏。4月27日、マンハッタンにあるホテルで、自身が発刊した「ウォール・ストリート・マガジン」第一号を記念するパーティーを開いた。
この日、午後7時前から120人を超える中国人参加者が、マスク氏を一目見ようとホテルのロビーに待ち構えていたという。マスク氏だったはずのゲストが現れたのはそれから2時間以上がたった午後9時30分頃。ボディーガードに囲まれながら会場に入り、握手や賞の授与まで行ったという。
偽物とわかったのは去った後だった。観客の一部から、容姿や声が本人とは異なるとの指摘が上がり、参加者らの間に怒りや困惑が広がった。
なお、ツイッターにシェアされた画像には、微妙にマスク風の男性の姿が写っている。
参加者の中には、マスク氏に会うためだけに中国からはるばる訪れた女性もいたという。サウスチャイナ・モーニング・ポストは、主催者側は否定しているとしつつ、ある参加者から1万ドルが支払われたことを示す請求書もあると報じている。
Kong氏は、同紙の取材に、イベントは当初3月23日に予定していたが、マスク氏にすっぽかされたため、延期した上での開催だったと説明。4月も本物が出演する予定だったと主張した。
プレスリリースには「マンハッタンで、イーロン・マスクの表紙出演ローンチパーティーを開催」と記載していたが、これについて Kong氏は、マスク氏がパーティではなく、雑誌の表紙に登場することを示したものだと弁解した。招待状はマスク氏との面会を約束するものではなかったとしたほか、会場で「われわれはエンターテイメントだ。イーロン・マスクがやってきます」とアナウンスしたことについて、偽物であることを示したものと反論している。