5月14日、メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソーリティ(MTA)が、妊婦やシニア、障害を抱える乗客に、席を譲ることを促進するためのキャンペーンを開始したと発表した。
キャンペーンは、パイロットプログラムと位置付けられ、5月14日の母の日からスタートし、9月のレイバーデーまで続けられる。希望者には、「Baby on Board」または「Please Offer Me a Seat」と書かれたバッジを配布し、乗客間の席を譲る習慣や意識を高めるのが狙い。
MTAの暫定執行役員Ronnie Hakim氏は「妊婦、シニアや障害を抱える乗客は、他の乗客よりも席を必要としているが、傍目からわからない場合もある」と述べ、「個人的なことを質問することなく、乗客が進んで席をゆずるようになることの一助としたい」と語っている。
同キャンペーンは、鉄道システムの利便性を高めるMTAの幅広い取り組みの一環であるといい、今後数年間で、数十億ドルをかけて新規エレベーターの設置などを行う他、既存エレベーターの有用性の改善に取り組む予定だという。
発表では、ロンドンの取り組みを紹介。ロンドンにおいて、同様の取り組みは2005年からスタートし、年間で約13万枚のバッジが配布されているという。キャサリン妃が2013年に「Baby on Board」を着用し、取り組みが世界的な注目を浴びたという事例も紹介している。
また、MTAよると、バッジで認知を高めるというパイロットプログラムは、同様のものとしては、アメリカおよび、国内最大の鉄道システムを有するMTAにとって初の取り組みになる。
バッジはMTAのホームページ(http://mta.info/courtesy)で申し込みをする。無料で資料の提出は必要がない。ページに必要事項を入力すると、およそ3週間で届けられるという。