ニューヨーク市で26日、雇用や住宅、公共施設において、体重と身長に基づく差別を禁止する法律が成立した。
法案は今月12日、市議会で44-5で可決した。差別から保護される対象に、これまでの人種や性別、年齢、宗教、性的指向に、体重と身長が加わった。
エリック・アダムス市長は、法案の署名に伴う会見で、「われわれは皆、外見に関係なく、雇用、住宅、公共施設に同じようにアクセスする資格がある。誰も身長や体重で差別されることがあってはならない」と説明。「職を探しているとき、街に出ているとき、アパートを借りるときに、異なる扱いを受けてはならない」と語った。
法案作成を主導したショーン・アブレイユ市議会議員は「今日は、人権にとって重要な日だ。サイズの自由、ボディー・ポジティブについて、法律がやっとわれわれのカルチャーに追いついただけであるが、この勝利が、他の都市、州、いつの日か政府が追随することになることを願っている」と語った。
なお、連邦政府または州の法律や規則で、体重や身長の要件が義務付けられている場合、市人権委員会が、職務に不可欠な要件を満たすことができず、代替となる手段がないと判断した場合は、適用除外となる。
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体重差別への反対運動は拡大しており、ミシガン州とワシントン州ではすでに禁止となった。またニュージャージー州とマサチューセッツ州でも同様の法案が提出されている。
非営利団体「太った人々の受け入れを推進する協会」のティグレス・オズボーン会長は、ニューヨークで成立した法律は「体重差別は、重大な不正行為」というメッセージを拡散するため、他の都市でも法案を承認するよう訴えている。