7日、カナダで発生している山火事の煙が米中央部や北東部に流れ込んだことで、ニューヨーク市全体は、焦げた匂いとオレンジ色のモヤに包まれた。
火星みたい?NYのユーチューバー、New York Streetさん撮影によるミッドタウンの様子↓
大気汚染の程度を示す空気質指数(AQI)は、前日の晩の時点で200を超え、世界最高となった。AQIは、100以下が「並」とされ、151から200は「健康に悪い」とされる。7日には「危険」とされる400を超える数値も観測された。環境保護庁のデータによると、8日も健康に悪い150を超える状態が続いている。
キャシー・ホークル州知事は7日の会見で、「深刻な危険な状況にある」として、州民に外出を控えるよう呼びかけるとともに、N-95マスク100万個を、州の施設などを通じて配布すると発表した。この日は、市内の大リーグの試合が中止となり、ニューヨークに向かう旅客機も一時的に運行停止を余儀なくされた。
ニューヨークタイムズによると、カナダでは7日未明までに250件近くの森林火災が発生している。
陰謀論も拡散
山火事に陰謀論がつきまとうのは珍しくないが、ネットでは今回も、何者かによる謀略を主張する説が拡散されている。
あるティックトッカーが、#arson(放火)のハッシュタグをつけて、山火事が同時に発生するように見える衛生画像をシェアすると、「組織的な取り組みだ」「やつらは人々を都市に押し込もうとしている」「指向性エネルギー兵器だ」「気象制御だ」など様々な説が飛び交った。
このほかにも、あるツイッターユーザーは、「陰謀団が国土を焦土化」し、州を連邦緊急事態管理庁の管理下に置くことを目論んでいると主張。これに対して、火災直前に異常な航空機の活動が観測されたといったコメントや、カナダの大手電力会社によるニューヨーク市への電力強供給プロジェクトを阻止する目的ではないかと示唆する声が上がった。
テレグラムでフォロワー数24万を超えるQアノン信奉者を名乗る男性は、「グローバリストによる気候変動詐欺」の一環で、「気候変動によるロックダウンが始まっている」と唱えた。
メジャーリーグの元メッツのスターで、過去に気候変動活動家のグレタ・トゥーンベリ氏に批判的な投稿をするなどしていたレニー・ダイクストラ氏は、「山火事はディープステートのマネーロンダリング計画の一環だ」と主張する投稿をシェア。オリジナルの投稿には続けて「彼らは火事を作り出して、政府は災害救助に何千万ドル、何億ドルも割り当てる。金は消え、政治家がキックバックをもらう。繰り返し、繰り返される同じ手口だ」と記されている。