日本にはなくて米国ではあたり前のチップの習慣。最近は本国でも疑問に感じる人が増えているようだ。
コンシューマーファイナンス系のサイト、Bankrateの調査によると、成人の3人に1人が、チップについて否定的な考えを持っていることがわかった。
それによると、「チップに頼るのではなく、会社が従業員に持っと支払うべきだ」と答えたのが41%、「レジの画面に最初からチップが入力されているのが煩わしい」が32%、「チップ文化が行き過ぎて制御不能になっている」が30%、「誰にいくら払うのか混乱している」が15%、「チップがないなら、もっと払っても良い」と答えたのが16%だった。チップについて、少なくとも一つに否定的な考えを抱いている人が66%に上った。
人々がチップを支払う回数は減少傾向にあり、例えばレストランで座って食事をした際、常にウェイターに支払っていると答えたのは65%で、2021年の75%から10ポイントダウンした。
美容院や床屋でも、2021年に63%だったところが53%に減少。パンデミックで一気に普及したフードデリバリーでは、59%から50%に減少した。
調査カテゴリー中、もっともチップを受け取る頻度が少ないのは住宅の修理関係で、48%が全く払わないと回答。次いで家具のデリバリーも38%が全く払わないと答えた。
ちなみにレストランで払わないとしたのは、5%だった。
女性の方が男性より気前がよく、70%の女性がレストランでいつも支払うとしたのに対して、男性は60%だった。美容院・床屋では女性60%、男性46%だった。
若者ほど財布の紐が堅く、レストランではベビー・ブーム世代の83%が常に支払うと答えたが、Z世代では35%だった。美容院・床屋ではベビーブーマー70%、Z世代はわずか24%となった。
Bankrateのアナリスト、テッド・ロズマン氏は、「インフレと一般的な経済不安で、アメリカ人がチップの習慣により厳しくなっている」と指摘。一方、「明確な答えのない興味深い問題だが、一つだけ言えるのは、チップが米国社会からすぐになくなることはなさそうだ」とコメントしている。
チップの基本は20%
いくら払えば良いのかについて、ロズマン氏は20%が基本だとした。
さらに、複数人が対応するサービス、例えば美容院では、髪を切る人と染める人それぞれに払うべきだと説明。喫茶店のような安価なサービスでは、5ドルのコーヒーを一杯頼んだら、1ドルまたは小銭をチップ瓶に入れれば良いとした。