乗客5人の命が失われた潜水艇「タイタン」の事故をきっかけに、111年前に沈没した豪華客船タイタニック号での運命の出会いを描いた映画『タイタニック』が、再び注目を浴びている。
1912年4月に起きたタイタニック号の事故では、1,500人以上が犠牲となった。
ジェームズ・キャメロンが監督した『タイタニック』は、1997年に公開され、過去最高の興行収入を記録した。主人公のジャック(レオナルド・ディカプリオ)とローズ(ケイト・ウィンスレット)は架空のキャラクターだが、モデルとなった人物がいるという。
ローズのモデルは?
プロヴィデンス・ジャーナルによると、ローズ役は、英国生まれのローダ・メリー・アボット(Rhoda Mary Abbott)さんとみられている。ローダさんは、タイタニック号に残った乗客の中で、一命を取り留めた唯一の1人の女性だった。専門家によると、ローダさんの名前は、乗客名簿に「ローズ」と誤って記録されていた。
ローダさんは、13歳と16歳の息子と共に、タイタニック号の三等船客の切符を購入していた。一家は、最後の救命ボートに乗るチャンスがあったが、ローダさんは、2人の息子が成長しすぎているため、乗船を拒否されるといった考えが頭をよぎり、「あどずさりした」という。救命ボートがタイタニックを離れようとした矢先に、船が海面に突っ込んだため、船上にいた全員が、海に放り出された。
親子は残骸の上で、救助を待ったという。その間に2人の息子が、相次いで命を落とした。ローダさんはその後、なんとか救命ボートまでたどり着いた。20人以上がボートに引き揚げられたが、生き延びたのは13名だったという。ローダさんもほぼ意識を失っており、救援にかけつけたカルパチア号にどのようにして乗り込んだか覚えていなかった。
Screen Rantによると、ローズ役は、アーティストで女優、ソーシャライツのベアトリス・ウッズ(Beatrice Wood)氏の人生に着想を得ているという。ウッズ氏はタイタニック号の乗客ではなかったが、北米やヨーロッパなどを旅していた。